赤目無冠のぶろぐ

アニメ、将棋・麻雀、音楽(作曲、DTM、ベース)、思想など

帰ってきたニートの一日の作者。詳しくははじめにへ。

『涼宮ハルヒの消失』のまとめ・考察・感想

2010年2月に公開されたアニメ映画、『涼宮ハルヒの消失』をまとめる。
本作は谷川流ライトノベル涼宮ハルヒの消失』(角川、2004年)を原作とするアニメ映画である。

※執筆の際、wikipediaを参照した。

※主人公のキョンの視点で要約した。主語がない文で始まっている箇条書きの場合、その主語はキョン

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・オープニングテーマ「冒険でしょでしょ?

・12月16日。ハルヒがクリスマスパーティの開催を決定。
 古泉が長門の変化を指摘。キョン(*1)が朝比奈のサンタコスを見る。

・12月17日。谷口が24日に光陽園学院の1年とデートする予定であることを自慢。
 ハルヒが学校で鍋を振る舞うことを決意。

~~~世界改変~~~

・12月18日。谷口のデートがご破算に?
 学校で風邪が流行る(ハルヒさえ欠席?)。国木田の話で一週間前から流行っていることが明らかに。

・朝倉が登校してハルヒの席へ!
 ハルヒと1年9組(古泉)と朝比奈の記憶が消失していることが明らかに!!

・部室に行き、長門に会うも、彼女にさえ拒絶される。帰る際、入部届を渡される。

・12月19日。ハルヒがいない今の世界が幸せなのか悩む。

・『憂鬱』で長門から借りた本から「プログラム起動条件 鍵をそろえよ 最終期限・二日後」と書かれた栞を発見

長門に誘われ、彼女の家へ。
 長門が5月に図書館の貸出カードをキョンに作ってもらったこと(『憂鬱』を参照)を話し、彼に感謝。

・朝倉が鍋を届けに来る。長門が帰ろうとするキョンを止める(キョンに惚れている模様)。結局、3人で食べる。

・「俺はハルヒに会いたかった」

・12月20日。谷口が(東中の)ハルヒを知っていることが明らかに。

・谷口の話を頼りに光陽園学院へ。
 そこでハルヒと古泉に会い、3年前の七夕の件(「私はここにいる」、ジョン・スミスなど)(*2)について話す。

・喫茶店でハルヒがジョン・スミスに「2回」会ったことを話し、キョンの話に興味を持つ
 (2回目は「世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく」と言われた)。
 古泉が2つの解釈(パラレルワールドと世界改変)を示す。
 その後、ハルヒキョンへの好意を示唆し、「羨ましいですね」とぼやく。

ハルヒ(髪型はポニーテール)と古泉がキョンの体操服で変装し、キョンと一緒に北高に侵入。
 そして書道部にいる朝比奈を捕まえて、長門がいる部室へ。

YUKI.N(元の世界の長門)がパソコンで鍵が揃ったことを告げ、緊急脱出プログラムを提示し、キョンに決断を迫る。
 キョンが入部届を長門に返し、自分がSOS団の一員として元の世界に帰りたいと思っていること再認識し、エンターキーを押す。

~~~3年前の7月7日へ~~~

・大人の朝比奈が、TPDDがタイム・プレーン・デストロイド・デバイスであること、
 パラレルワールドではなく世界改変であること、その犯人がハルヒ以外であることを明かす。
 そして昔を懐かしみ、何か言う(*3)。

ハルヒに「世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく」と言う(伏線回収)

・朝比奈と一緒に長門の家へ。そこで例の部屋の時間が凍結中であること(*4)を確認。
 長門が、世界改変者がハルヒの力を利用して1年間を変えたこと(ゆえに3年前の今は正常)と、
 3年後に行って再修正プログラム(銃)を撃てば元の世界に戻ることを話し、その改変者の名前を告げる。

長門キョンと朝比奈の手に対抗処置を施す。朝比奈がキョンを3年後に連れて行く。

~~~3年後の12月18日、ハルヒと古泉が着替えをした場所へ~~~

・世界改変者・長門が世界を改変する。
 キョン長門の異常行動が「(恋愛)感情」であると理解する。

・自問自答したあげく、ハルヒがいる元の面白い世界を望む(もう1人の自分が自分を踏む描写あり)

長門を撃とうとするも、朝倉に刺される。
 それを未来の自分達が助ける。

~~~元の世界へ~~~

・12月21日。病室で目覚める。18日に幻の女(*5)に階段から突き落とされたことを古泉から聞く。
 その後、寝袋にくるまっていたハルヒとやって来た朝比奈に心配される。

・屋上で長門に「有希(雪)」と言い、彼女に味方する

・12月24日。ハルヒの鍋を食べるためにクリスマスパーティへ。

・エンディングテーマ「優しい忘却」

・図書館で本を読む長門

  *1…キョンの妹は11歳

  *2, 4…『退屈』の「笹の葉ラプソディ」を参照

  *3…「ごめんなさい」か?

  *5…おそらく長門が情報操作したのだろう

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~考察・感想~

162分もあるため冗長な部分もあるが、その分、原作に忠実で丁寧な仕上がり。
見て損はない。

特に長門好きに勧めたい作品。
要するに本作は「彼女が人間らしい(恋愛)感情を初めて持つようになる」話である。
長門を中心にして見ると、そう評価できる。

ただし、個人的には、「キョンが改めてハルヒに会いたい(ハルヒが好きだ)と再認識する」話だと捉えている。
要するに「恋愛」と「再認識」がテーマになっている。2つをまとめると「好きだという再認識」がテーマである。

このことは12月19日のキョンが「俺はハルヒに会いたかった」と言うシーンや、
12月20日の彼がエンターキーを押すシーンや、クライマックスの彼が自問自答するシーンを見れば容易に理解できる。
これらはいずれも「やっぱりハルヒがいる元の世界が好きだ」と彼が再認識するシーンである。

実はこの基本構造は『憂鬱』も同じで、
『憂鬱』も「閉鎖空間の中でキョンが元の世界がよいと再認識する」構造になっている。
ついでに言えば、「ハルヒへの好意を再認識する」構造にもなっている。
そうでなければ、わざわざ彼女にポニーテールを要求することもないし、ましてキスもしないだろう。

『憂鬱』と『消失』は、
①ある変な世界が与えられる→②それによって元の世界のよさを再認識→③やっぱり元の世界に戻りたい
という一連の流れが巧みに描かれているという点でよく似ている。
以上の観点でもう一度この2つの作品を見てみると、
なぜ『涼宮ハルヒシリーズ』が売れたのか冷静に批評できるようになる。