赤目無冠のぶろぐ

アニメ要約・批評、仮想通貨(ビットコイン、モナコイン)、将棋・麻雀、音楽(作曲、DTM、ベース)、思想など

帰ってきたニートの一日の作者。詳しくははじめにへ。

竹宮ゆゆこによる『とらドラ!』の原作(ライトノベル)の要約・考察

竹宮ゆゆこによる『とらドラ!』の原作(ライトノベル)の要約・考察を掲載する。

(イラスト:ヤス、電撃文庫、2006年3月~2009年3月)(テレビアニメは2008年10月~2009年3月)

凡例
 ・▲は筆者の考察で、正しいかどうかは人それぞれ
 ・要約の際、文を簡潔にするために主語を省略した。特に断りがない場合、主語は主人公の高須竜児とする。

※執筆の際、wikipediaのとらドラ!このブログの『月刊アニメスタイル第1号』のまとめ
 「なんでもリスト」の「とらドラ!考察」を参照した



【1巻】…虎と竜 / 表紙は手乗りタイガーを抱いている大河 / 裏表紙は虎の大河

登場人物紹介:

 高須竜児…主人公。高校2年生。綺麗好きで料理が得意。父に似て目つきが悪く、不良と誤解されがち。

 櫛枝実乃梨…いつも明るくマイペース。ソフトボール部女子部長。大河の親友。

 北村祐作…文武両道の優等生。ソフトボール部男子部長、生徒会副会長。

 高須泰子…竜児の母。スナック『毘沙門天国』の雇われママ。源氏名は魅羅乃(みらの)。永遠の23歳。

 逢坂大河…ヒロイン。手乗りタイガー


※高校について:
  アニメ化にあたって「大橋高校」と設定された(wikipediaのとらドラ!の出典6を参照)。
  原作では公立(5巻p.11など)だが、アニメでは私立(20話の修学旅行保護者同意書)。
  ▲高須家が経済的に苦しいことを説明しにくいので、原作の設定の方が無難か?


「――この世界の誰一人、見たことがないものがある。
 それは優しくて、とても甘い。
 多分、見ることができたなら、誰もがそれを欲しがるはずだ。
 だからこそ、誰もそれを見たことがない。
 そう簡単には手に入れられないように、世界はそれを隠したのだ。
 だけどいつかは、誰かが見つける。
 手に入れるべきたった一人が、ちゃんとそれを見つけられる。

 そういうふうになっている。」 ※アニメ1話は「できている」

▲見たことがないものは、竜児と大河の関係を中心とする「恋愛感情」。
 それは「誰もが~欲しがる」ものだが、当初は竜児→実乃梨と大河→祐作という片想いがあったので、
 「そう簡単には手に入れられない」複雑なものだった。
 しかし、いつかは竜児&大河がお似合いだということに皆が気がつくようになっている。
 1巻を読む限り、以上のようなことを暗喩しているのだろう。
 「そういうふうになっている」から、竜児&大河という「予定調和」を最初から示唆している作品だと分かる。
 実はこの時点で、少女漫画のようなご都合主義の展開がさりげなく設定されているわけだ。


‐1‐

・朝、自宅(*1)で竜児が登校の準備をする。
  美容雑誌『ふんわりバングス』による髪型のセットに失敗したり、
  「イン“ポ”」としか言えないインコちゃんにエサをやったりする。

・疲れ果てて、ヒョウ柄のパンツを丸出しにしたまま寝ている、仕事帰りの母・泰子(*2)と話す。
 登校の際、「パパ(*3)に似ている」と泰子に言われ落ち込む。

・高校2年の始業式。クラス替えでA組からC組へ。
 竜児のよき理解者・北村祐作(*4)と竜児の片想いの相手・櫛枝実乃梨が登場。

手乗りタイガーこと逢坂大河(145cm)にぶつかり、圧倒される
 ▲登場の仕方が『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒの登場に近い。これがライトノベルの特徴で、演出が漫画に近い。

*1…借家、2階、私鉄の駅から徒歩10分、南向き2DK、家賃8万円(p.12)。
  引っ越してきてから約6年間、南窓なので日当たりのよい家だったが、
  去年、隣に豪華な10階建てマンションができたため、日当たりが悪く、カビが生え易い(p.18)。
  とはいえ、家賃は5千円、安くなった(p.19)。

*2…スナック『毘沙門天国』の雇われママ。源氏名は魅羅乃(みらの)。永遠の23歳(本当は33歳)。

*3…竜児は素行は悪くないが、父に似て目つきが悪いため、不良と誤解されがち。
  彼の父はいわゆるヤクザ。写真が残っている。現在消息不明。

*4…去年のクラス委員。あだ名は『まるおくん』。意外に容姿端麗で女子に好かれている。


‐2‐

・数日後 竜児=ヤンキー説が払拭され、実乃梨と話せるようになり、大河のみが懸案に
 (竜児の席は窓際の前から3番目に。担任は29歳独身の恋ヶ窪ゆりに。)
 (実乃梨との会話の内容はバケツプリンとその写真。アニメ4話「あのときの顔」参照。)

・放課後、教室で、椅子を蹴り飛ばしながら、ロッカーに隠れようとするドジな大河に遭遇する。
 そして、祐作の机の上に置いておいた自分の鞄を取ろうとして、何故か大河と鞄の取り合いになってしまう。
 結局、大河がくしゃみをしたことで、転倒しながらも、鞄を取り戻す。一方、大河は怒って帰ってしまう。

・午後7時、鞄の中に祐作へのラブレターが入っていること(入れる鞄を間違えられたこと)に気づく。
 しかも封筒の中は空っぽ(ドジな奴だと思う)。

・午前2時、木刀を持って窓から自宅に侵入して来た大河に遭遇し、殺されそうになるも、
 (木刀で脳天をぶっ叩くことで竜児のラブレターの記憶を消す狙い)、
 封筒内が空っぽだったことを示すことで彼女を落ち着かせる。その後、大河が動揺し、空腹で倒れる。

・午前3時、大河ににんにくチャーハンをふるまい、寝顔が気持ち悪いインコちゃんを見せる。
 そして自分の気持ち悪い妄想グッズを晒すことで、ラブレターは恥でも何でもないと諭そうとする。
 しかし、その最中に自身の実乃梨への好意もばれてしまう。これにより、互いに秘密を共有する関係に。

・午前4時、母とはち合わせするのを防ぐために、大河に帰宅するよう願う。その際、犬のように何でもすると誓う。
 大河がそれに納得し、襖の穴を例の封筒で隠すことを勧め、「お金がかかるなら、ちゃんと払う」と言う。
 そして親が不在で不摂生な食生活だったことを明かし、「竜児」と呼び捨てて、立ち去る。
 ▲経済的には豊かだが、親の存在が希薄な点では、竜児の境遇に近い
 この日以来、高須家の襖に薄桃色の桜の花が貼り付けられている。
 ▲以降、これが竜児と大河の思いがけない出会いを象徴するものとなる


‐3‐

・朝、朝食の準備中に大河に電話で呼び出される(彼女いわく「犬のようになんでもするって言ったでしょ」)。
 その際、彼女が隣の豪華なマンションに住んでいることを知る。

・逢坂家(オートロック、豪華、2階、リビングは20畳以上、汚いキッチン、お姫様のベッド)へ行き、
 汚いキッチンと二度寝している人形のような大河を見て、彼女の孤独を知る。
 そして汚いキッチンを掃除し、炊き込みご飯を準備する。
 <アニメ1話「虎と竜」終了>

・大河との登校中、実乃梨に会い、ツーショット(アベック)登校と誤解されそうになるも、偶然を装う。
 大河が「私より先にうまくやろうなんて生意気なのよこの駄犬」という表情を見せながら、実乃梨と立ち去る。


‐4‐

・作戦その1:
  体育の準備運動で2人1組に→大河と組む→祐作の相手にわざとボールをぶつける→
  →大げさに騒ぎ、その人を保健室に連れていく→祐作と大河だけが余り、必然的に組むことに

 目立つグループに属する木原麻耶が祐作と組んだため、大河が嫉妬する。
 同様に、元A組で竜児とも仲のよい黒縁のメガネ男・能登久光が実乃梨と組んだため、竜児が嫉妬する。

 途中、大河が祐作にボールをパスできて喜ぶ。
 結局、竜児がくしゃみをした瞬間の大河の顔にボールをぶつけてしまい、自分たちが保健室へ行くことに。

・作戦その2:4人で弁当を食べる(アニメ4話)
  しかし言動がぎこちないうえに、同じ弁当だとバレそうになる。
  結局、ソフトボール部のミーティングで別れてしまい、2人だけで食べることに。

・作戦その3:午後の調理実習で作ったクッキーを渡す
  しかし大河が生徒会に向かう祐作を追いかける際に、階段で転落してしまう。
  竜児が受け止めるも、クッキーは窓から外へ。
  この時、竜児は一生にあと1回しか使えない泰子の「薄い超能力」とやらを使ってしまう。
  ▲大河が、竜児や泰子にとって、運命の人であることを示唆している

・放課後、ドジであることを嘆く大河に同情し、砂糖と塩を間違えている彼女のクッキーを無理して食べ、彼女を褒める。
 そして普通の一人の女の子にすぎない無垢な彼女を知り、「駄犬」と言われても許す。

・2人でソフトボール部の祐作と実乃梨を見る。大河に夕食を頼まれる。
 戸惑うも、ドジで転んでばかりいるせいで傷だらけの大河の膝小僧を見て、彼女を放っておけないと思う。


‐5‐

・気がつけば共同生活状態に(何日か経過か)。泰子と大河は意外にあっさり打ち解ける。

・クラスで、2人が一緒にいることが噂になる。
  春田浩次(共通の財布)、麻耶、能登久光、実乃梨(アニメでは香椎奈々子)による証言が続き、
  「(稲毛酒店の店主の愚痴を聞くため、泰子は)今夜、家には帰らない」という発言でますます誤解されてしまう。

・実乃梨が竜児と大河を屋上に呼び出し、「(大河を)よろしく」と竜児にジャンピング土下座する。
 さらに偶然そこにいた祐作も2人の関係を誤解してしまう。

・夜の国道沿いのファミレスへ。2人で完全に誤解されたことを嘆く。
  大河が、明日、祐作に告白して、共同生活を終わりにする(竜児を解放する)ことを決意し、
   継母と不仲で「こんな家出て行きたい」と言ったら、家を宛がわれて一人になったことを告白する。
  竜児が大河の最後の笑顔を見るために、誰にも見せたことがない自身の父親の写真を見せる。
  大河がそれを見て爆笑し、不出来なクッキーを無理して食べた彼を「駄犬だが、人間としてはまあまあ」と評価し、
   「従えるのではなくて、並び立ちたい」と言いかける。
  ▲ここで大河が竜児を見直す(淡い恋心に近い)

・夜の帰り道、大河が、実母が遠い他県にいることを話し、
 誰も本当の自分を分かってくれないことを嘆き、「むかつくんじゃ」と泣き叫びながら、電柱を蹴る。
 竜児も同情し、加勢する。

 23時59分、大河が「最後になにかないの?」と竜児に言い、何も言えない彼を見て「ばいばい、――高須くん」と言う。
 ▲ここで大河が竜児に何か言われて(要するに、告白されて)いれば、話はもっと早く終わっていただろう。
  所詮、彼女の祐作への好意は未知のものへの憧れに過ぎず、境遇としては親がいない竜児の方が近い存在なのだから。
  だがここでは最後まで何も言われなかったので、「竜児」と呼び捨てにせず、あえて「高須くん」と他人扱いした。


‐6‐

・翌日、大河が教室で大暴れして竜児との関係を否定する。
 実乃梨が(疑問に思いながらも)竜児に謝罪する。

・放課後、男子便所で竜児が祐作に告白している大河を見てしまう。
 しかも告白中に大河が竜児の良いところを説明し始めてしまう。
 ▲要するに、大河の深層心理では竜児>祐作。
  だが、そうした自覚は彼女自身ない。あるいは認めたくないという段階。

 対して祐作が1年前、大河に告白して、振られたことを話し(アニメ4話参照)、
 彼女に感謝し、「いい友達になれる」と言う。
 ▲アニメ4話で、大河が「びっくりしちゃって断っちゃったけど…でも、それから何か意識しちゃって」
  と言い、祐作を「そのままの自分を必要としてくれる(人)」と評している。
  また、そのままの自分を受け入れてくれた祐作の写真を求めているのに、それがもう見つからないことも話している。
  つまり、この時点で、そのままの大河を受け入れる存在が祐作ではなく、竜児になりかけている。
 ▲祐作にとって大河は狩野すみれに出会うきっかけを与えてくれた人(6巻参照)。
  だから彼は彼女に感謝し、恋人ではなく、良い友達になれそうだと思っている。

・見かねた竜児が大河に「“虎”と並び立つものは、昔から“竜”だと決まってる」と言い、彼女を支える。
 (だから題名は、トラとドラゴンなので、略して『とらドラ!』)
 対して大河が彼を罵りながらも「『大河』、だって」と呟きながら微笑む。
 ▲このように、1巻だけで竜児&大河が本作の結論だと分かる。後はその過程をどう描くかである。
 <アニメ2話「竜児と大河」終了>



【2巻】川嶋亜美 / 表紙は亜美 / 裏表紙はチワワの亜美

※大河:公称145cm(実測143.6cm) / 実乃梨:4月生まれの17歳 / 川嶋亜美:165cm45kg


‐1‐

ゴールデンウィーク最終日、ウエイトレス姿の実乃梨を見るために大河と一緒にファミレスへ
 (それまでずっと大河と共同生活)(大河の指をくわえて離さないインコちゃん、オムライス)

・ファミレスでバイトをかけ持ちしている実乃梨が「(サービスで)盛るぜ~」と言い、2人の関係を疑う。
 (「勤労怪奇ファイル」→ドラマの『銀狼怪奇ファイル』、「蘇る勤労」→小説の『蘇える金狼』)
 (アニメ3話「君の歌」参照)

・大河が雑誌のバッグを欲しがり、竜児にデニムを欲しがっていると誤解され、「どうせ私は、チビの短足よ」と怒る。
 そこへその雑誌の美人モデル、川嶋亜美が登場(母は女優の安奈、夕月玲子役)。
 さらに祐作と彼の両親も来て、亜美と自身が幼馴染同士であることを2人に明かす。

・亜美が謙遜したり竜児の手を握ったりすることで彼に媚び、自身を『天然』と称す。
 竜児は気に入るも、大河は「(自称『天然』に)まともな奴なんかいない」と言い、亜美を嫌う。

・祐作と一緒に、トイレに行くふりをして、亜美の本性(性悪な我ままお姫様)を盗み見る

・亜美が大河に様々な嫌味を言う。対して大河が亜美の頬をビンタし、平然と「蚊がいたの」と言う。
 亜美が泣き、祐作に慰められながら立ち去る。
 大河が祐作に嫌われたと思い込み、怒り、泣く。それを竜児がフォローする。


‐2‐

・連休明け、亜美が転校する。外面だけはよいため、上手くクラスに溶け込んでいく。
 祐作が竜児に「亜美の本性が嫌いじゃない」、「ありのままの性格で人とちゃんと付き合ってほしい」と言う。
 (恋ヶ窪ゆりが休みの間に最後の弾を撃ち損じたことを告白する)

・自動販売機で亜美が竜児に昨日のことを忘れるよう頼む(チワワのように)。
 さらに大河が悪口を言ったという嘘を平然とつき、自己弁護する。

・授業中、大河と実乃梨に亜美と何をしていたか筆談で問われる(みのりんレーダーが反応しない)。
 何もなかったことを紙に書き、自分のことを天然だという女をどう思うか実乃梨に筆談で尋ねる。
 対して実乃梨が教師が板書している間に立ち上がり、両手で×マークを作る。

・昼休み、亜美が「高須くん以外のお友達、いないのぉ?」と大河に言い、彼女と敵対する


‐3‐

・表面上は何事もないまま数日経過。衣替え間近の5月後半に。
 竜児が春田と能登に合コンに誘われるも、いちご牛乳で汚れた大河のロッカーを掃除するために断る。
 (「(いちご牛乳の)犯人は亜美……とかではもちろんなくて」という文あり)
 その間、亜美が来て大河と嫌味を言い合い、「祐作にさえ、あんた嫌われてる」と言ってしまう。

・夕飯(トンカツ)の時間になっても大河が来ないため、彼女の家へ。
 そこで毛布をかぶりながら祐作に嫌われたと落ち込んでいる大河を励ます。
 (チビで変な名前であることでも落ち込む。因みに亜美は165cm。)

・泣き止んだ大河と一緒にトンカツソースを買いにコンビニへ。
 そこの雑誌で亜美がモデルの仕事をしばらく休むことが明らかに。
 帰る際、黒尽くめのジャージ姿で菓子などを買いまくる亜美を見かける。大河が小さく笑う。
 <アニメ5話「かわしまあみ」終了>


‐4‐

・翌日。木原麻耶と香椎奈々子が亜美のモデルの休業について話す。(能登と春田の合コンは失敗)
 亜美がダイエット経験がないことを話し、周りが凍りつく。
 ダイエット戦士の実乃梨と大河が連携して亜美の腹の肉を掴み、彼女の隠れ肥満を指摘する。
 亜美が本性をあらわしそうになる。
 祐作がそんな亜美を見て、「ああいう感じでいけば、亜美はああなるわけだ」と言い、納得する。

・夕方、ご機嫌の大河が「サラダ作ろうかな」と言い出し、竜児を驚かせる。
 そこに亜美が突然やって来て、大河を吹っ飛ばして、竜児に抱きつき、近くにストーカーがいることを告げる。
 吹っ飛ばされて怒った大河が、その状況に気づかないまま、ゴミ用バケツを蹴り上げる。
 結果として、それに驚いたストーカーが逃げ去る。
 その後、大河が亜美を自身のマンションに匿い、しばらくして、何故か「盛り上がったわ」とご機嫌になる。


‐5‐

・翌朝、亜美がやつれる。彼女いわく、大河と物まねメドレーをしていた。

・昼休み、大河が祐作に「亜美と仲良くしてくれ」と言われ、好きな人の頼みゆえに断れず、悩む。
 (祐作は亜美に裏表なく付き合える友達ができることを望んでいる)

 結局、物まねの件で亜美を脅迫して、いつもの5人で弁当を食べる。
 その際、竜児と大河の弁当が同じであることが亜美にバレてしまうが、
 大河が竜児の弁当を平らげることで「私の犬(だから)」と誤魔化す。
 亜美がそんな2人の関係に興味を持ち、面白くなさそうな顔をする。
 (竜児はうお座

・放課後、祐作と一緒にいたい大河の圧力で、生徒会主催ボランティア町内清掃大会に参加することなってしまうが、
 実乃梨もいたため、互いの利害が一致する。
 「ダイエット」と言いながら亜美も参加する(竜児と大河の独特の関係に興味を持った模様)。

・3年の生徒会長、狩野すみれが登場し、皆に気合いを入れる(アニメ4話参照)。
 副会長の祐作はすみれが目標。大河は祐作とすみれが一緒にいることが面白くない。

・実乃梨と話す機会を得るが、祐作がすみれの傍にいることが面白くない大河に妨害されてしまう。
 結局、残った亜美に誘われ、土手の方へ。

・川辺で、取り繕った外面で自分に媚びるのをもうやめるよう亜美に頼む

・大雨が降り、雨宿りする。その間、例のストーカーが現れる(彼のせいで亜美は引っ越して来た)。
 それをゴミ袋を雨具として身に付けた大河らがあっさり撃退。
 (インコちゃんは卵から孵した)

・夕方、逆にストーカーを尾行して身元を把握する作戦を皆で立てる


‐6‐

・翌日の午後4時、5人でストーカー対策をするも、つぎつぎ脱落。
 結局、亜美が逆切れして一人で撃退。
 (須藤コーヒースタンドバー(スドバ)(アニメ4話)、離婚で傷心の稲毛さん(アニメ3話))

・竜児が途中で怖くなって泣き出した亜美を自宅に入れ、大河がいつも飲んでいる蜂蜜牛乳をふるまう。
 亜美が本当の自分を出せる大河を羨み、大河に一途で自身に傾倒しない竜児に興味を持つ。
 (亜美「祐作にはもう、『たった一人の好きな女』がいる」→▲狩野すみれ)
 そして彼に本当の自分を好きになるか問いかけ、彼を押し倒しかける。
 それを泰子・祐作・大河が見てしまう。インコちゃんの羽毛がストレスで抜け落ちる。
 <アニメ6話「ほんとの自分」終了>


とらドラ・スピンオフ! 幸福の手乗りタイガー伝説
 不幸体質の1年生・富家幸太と手乗りタイガー・大河との接近遭遇
 (すみれの妹は1年生、さくら)(アニメ14話「しあわせの手乗りタイガー」)



【3巻】…プール / 表紙は夏服の大河 / 裏表紙は竜児


‐1‐

・「川嶋に、からかわれた」と弁解するも、大河に「エロ犬が誰とどう番おうと、まったく興味なんかない」、
 「どうして、謝ったりするの?」、「怒らなきゃいけないの?」と言われてしまう。
 その口論のストレスで不細工なインコちゃんが倒れ、享年6歳になりそうに。慌てて2人で動物病院へ。
 (竜児と大河の身長差は30cm(p.23))

・寝坊しそうになり、慌ててデッキブラシで大河を起こし、険悪な関係のまま2人で学校へ。
 恋ヶ窪ゆりがプール開きを告げる(珍しく訳あっておとなしい大河)。
 (竜児の黒乳首 / 亜美のあだ名・バカチワワ(p.50) / 夏服に / 友人が結婚する中、担任だけ独身)


‐2‐

・険悪な関係のまま数日経ち、大河・実乃梨・亜美と一緒に水着を買いに駅ビルへ(大河は訳あって乗り気ではない)

・実乃梨が、大河が家事の能力を褒めていたことを竜児に告げ(アニメ8話参照)、
 それを信じないのは「もったいない」と言う

・亜美が竜児に自身の水着姿を見せ、スタイルの良さを誇示する。
 そして実乃梨の水着姿は見られない竜児に気づく(竜児の実乃梨への好意に気づきかける)。

・大河がサイズの合う水着が見つからず、落ち込む

・夜、高須家で、泰子の胸に触れたり、大豆のイソフラボンを求めたりする大河を見て、
 彼女の憂鬱の原因が「貧乳」であることに気づく(しかも大河は泳げない)

・逢坂家で大河が水着を着て、竜児に平らな胸を見せる。
 竜児が亜美の時のように大河の水着姿を見られず、罪悪感を抱く。
 ▲竜児の気持ちの変化。いつの間にか大河が竜児にとって特別な存在になっている。

・大河は、写真部が1年前に盗撮した『哀れ乳』と書かれた自身の水着写真を見て、貧乳を気にするようになった

・竜児が夜なべして、サイズ直ししてあげる。大河もゲームをしながら起きて待つ。(夜中3時過ぎまで)
 亜美の件による険悪な雰囲気がここでなくなる。


‐3‐

・プール開き。人気者のマッチョ・祐作、水泳が得意な美人・亜美、マイペースの実乃梨など。
 (3大コンプレックス:春田のヘソ(←姉がいる)、能登のわき毛、竜児の黒乳首)
 (34歳の体育教師・黒間とそれを狙う9月に30歳になる独身女・恋ヶ窪ゆり)

・髪を2つの団子にした大河が、水着姿を亜美たちに披露。
 竜児の『偽乳パッド』のおかげで貧乳を隠すことに成功。ただし、実乃梨には「偽乳特戦隊」とバレる。

・大河が亜美に水中に放られ、泳げないため、溺れてしまう。さらに胸のパッドが片方とれてしまう。
 それを見た竜児が大河の胸元に素早く手を入れ、パッドをはめ直す。

・大河が「屈辱」と言い、亜美に謝罪を何度も要求。
 しびれをきらした亜美が、大河が泳げないことをバカにして、竜児と祐作を別荘に誘うことで大河を挑発。
 怒った大河が物まねの件で亜美を脅す。
 そこへ実乃梨が来て、スポーツでの決着を提案。
 <アニメ7話「プールびらき」終了>
 くじ引きで亜美が希望した25m自由形に(因みに大河の希望は格闘技「バーリトゥード」だった)。


‐4‐

・授業中、皆が勝手に賭けていることを知り、大河に6口3000円賭ける(春田のarl、マジック目で寝る実乃梨)

・高須家で大河が「あんた(竜児)を(別荘に)行かせたくない」と言う
 ▲竜児への好意を一瞬だけ示す

・翌々日、2度目のプールの授業中、2人で泳ぎの練習をするも周りの視線は冷やか

・雨が降り始めたため、2人で温水プールへ行くも、プールは閉館

・2週間ずっと雨で練習できず、自習。
 そんな中、祐作が、保険の外交をやっている母から貰った市民プールの入場券を2人に渡し、
 竜児の態度を見て大河に賭けたことを告げ、彼女を応援する。
 竜児は大河に祐作と行くことを勧めるが、照れた大河はそれを断ってしまう。

・自動販売機の隙間に座っている亜美に「かわいいじゃん。やきもちタイガー」と言われ、
 本気で勝って別荘に行くつもりであることを告げられ、からかわれる

・勝負前日(日曜日)、市民プールの子供用プールで2人で練習。
 流れるプールに移動し、大河が浮き輪と強いバタ足で意外に速く泳ぐ。
 その後、のんびりし、大河が祐作のことを言われても上の空になる。

・竜児が雨が降っても頑張る大河を見て、「北村の応援の気持ち~無駄にしたらもったいねえよな」と言う。
 大河がそれを否定し、素直になれず、怒る。
 売り言葉に買い言葉で大喧嘩になってしまう。
 ▲補足すると、大河は竜児の応援が嬉しくて、それに応えたいと思って頑張っていた(p.198の最後のセリフ)。
  にもかかわらず、それを理解されずに的外れなことばかり言われたため、素直になれず、怒ってしまった。


‐5‐

・仲直りできないまま当日。泰子に「大河ちゃんはいつらって、言うことは、反対の、こと」と励まされる。

・「本当は、晴れて欲しかった」、「おまえが水泳勝負、出てくれたらいいな」と言い、
 大河に弁当(中身は彼女の好きな肉ばかり)を渡す。
 大河がその言葉を聞き、弁当を受け取る。

・急に晴れる。ビキニ姿の亜美vs浮き輪だらけの大河に。
 大河が「毛」と言ったり、木刀でビキニを取り上げたりして、亜美の泳ぎを妨害する。
 その途中で、竜児が周りの争いに巻き込まれ、溺れてしまう。
 助けた大河が「竜児は、私のだぁ」、「誰も触るんじゃ、な~い」と言う。
 そう言われた竜児が嬉しく思う。

・終業式の後、ファミレスで、大河が完全に竜児&大河が公認の仲になってしまったことを後悔する。

 竜児が実乃梨と冗談を言い合えるようになり、以前ほど無邪気に実乃梨に片思いしなくなった自分に気づく。
 そして本当は大河の方が好きなのか悩むも、友情や家族愛の類と結論づける。
 ▲竜児の気持ちの変化。少しずつ竜児→実乃梨から竜児→大河へ。
  この時点で、大河だけではなく、竜児も変わり始めている。

 亜美と祐作もファミレスに来て、5人で夏休みのスケジュールを決め始める。

 亜美が「高須くんと離れるの、不安なんだぁ?」と挑発。
 大河があっさり「認めるわ」と言い、周りを動揺させ、
 「こいつ、私の犬だから」、「主人としては~自分の犬(を見張る義務がある)」と言う。
 <アニメ8話「だれのため」終了>
 ▲大河はあくまで飼い主として「竜児は私のだぁ」と言っただけだと思い込もうとしている。
  これは家族愛だと思い込もうとした先の竜児の態度に対応している。
  2人の気持ちが少しずつ変わり始めている。



【4巻】…夏休みの別荘 / 表紙は実乃梨 / 裏表紙は花の実乃梨


‐1‐

・朝、昨夜見た怖いDVD「実録・恐怖列島日本~私は犬の赤ちゃんを産んだ!」の影響で、
 犬になって虎柄の大河に子犬を産んでもらう悪夢を見てしまう。
 大河も同じ夢を見る。

・午前11時、大河が素麺を食べながら先の夢を「警告夢」と解釈し、竜児&大河エンドを防ぐために、
 明日からの二泊三泊の旅行では、どちらかがどちらかの恋を全力で支えるべきだと考える

・近くの公園で、どちらが相手を全力で支えるかを決めるために、バドミントンで対決。
  点数やサーブ権を巡り争った際、ラケットがふっ飛び、それがハスキー犬のチーコに当たってしまう。
  大河がその犬にマウントされ、「あんたたちの勝ちでいいから(どかして)」と言い、竜児が勝つ。
  (竜児:中学、バドミントン部 / 大河:小・中学、テニス部、私立女子校)

・スドバで大河と一緒に実乃梨を落とす作戦を練る

・翌朝、駅でズー(Choo Choo TRAIN)のように回転する祐作と実乃梨を見たり、
 阿修羅(身長順は竜児>祐作>実乃梨>大河)を演じたりする


‐2‐

・別荘まで特急列車で約1時間半。お盆の時期を外したため空いている。
 大河が怖がりの実乃梨に心霊音声を聞かせ、「みのりんをこわがらせて騎士登場作戦」を開始。
 (亜美のあだ名の略「ばかちー」(p.55)、竜児のおにぎり)

・豪華な亜美の別荘に到着。掃除しようと意気込むも、とりあえず皆で遊ぶことに。
 その際、作戦通り、ワカメで実乃梨を怖がらせる。


‐3‐

・高須棒(元ネタは松居棒)で別荘(2階建て5LDK)を掃除。
 大河が祐作とバイクで買出しに行く機会を得るも、照れて断ってしまう。結局、祐作と実乃梨が行く。

・竜児がシャワー室で風呂掃除している亜美に入浴しているふりをされ、誘惑される。
 大河が文句を言いに行くも、本当に入浴中の亜美を見てしまい、亜美の裸体を「ぼん!」と表現する。

・大河が屋根裏からワカメ(浮遊型ニセ霊魂・ばかちー一号)で実乃梨を怖がらせる。

・夕方、大河と亜美がカレーの辛さでもめたため、大河だけ甘口カレーにする。
 亜美に「(大河だけ甘口は)甘やかし」、「(実乃梨に)嫌われちゃうよ」と言われる。

・風呂あがりの祐作が全裸にタオル1枚で登場し、彼のワカメが見えそうになる

・大河がデッキから「刺突形ニセ霊魂・ばかちー二号」で実乃梨を怖がらせる。
 実乃梨が驚き、恐怖が吹き飛ぶような辛いカレーを要求する。

・実乃梨が竜児による激辛カレーに満足する


‐4‐

・大河が胃薬を貰うために、緊張しながら祐作の部屋へ。
 亜美がそんな大河を心配する竜児を冷やかし、彼を誘おうとする。

・実乃梨が竜児を呼び、手際よく洗い物を済ませる(バイトでなれている)。
 そしてアイス最中を渡し、共に先程のデッキへ。

・竜児が実乃梨に彼氏がいるか思わず聞いてしまう。
 対して実乃梨が「(先のワカメのような)幽霊、見たことある?」と問いかけ、以下のようなことを言う。
 「私は幽霊がいると信じている。でも、実際に目にしたことはない。
  それはいつか愛せる人ができると信じていても、実際にうまくいったことがないのと同じこと。
  私にとって、当たり前に恋愛している(幽霊が見えている)人達は遠い存在。
  私には見えないとあきらめかけている。だから、質問の答えは、彼氏は『いない』。」(p.144~146の要約)

 対して竜児が以下のようなことを言うことで自身の恋心を見せ、実乃梨を驚かせる。
 「俺は幽霊を『見たい』んだ。櫛枝は信じているだけで、見ようとしていない。
  いるわけないのに存在を感じることがあるから、怖いんだろう。」
 (愛する人が永久に現れないなんて言って欲しくない)
 「いま幽霊が見える奴だって最初からそれが当たり前なわけじゃなかったはずだろ。
  だから櫛枝も一生見えないなんて決めつけなくてもいい。」
 「俺は櫛枝が幽霊をいつか見られたらいいな、と思う。
  だから今日は妙なことが起きている。どこかの幽霊(というか俺)がアピールしているんだよ。」
 (俺にとっての幽霊はおまえだ)(p.146~149の要約)

 ▲4巻の山場。「幽霊」や「UFO」に「好きな人」や「恋心」を代入して読めば、分かり易い内容になる。
  間接的な表現に留めているだけで、事実上の竜児の実乃梨への告白と言える。

・午前1時、リビングで竜児が眠れない大河とカレーを食す。
 大河が祐作と一緒にいると緊張することを告げ、意外と前の警告夢の方が良いと思う。
 ▲大河の気持ちの変化。いつの間にか、祐作よりも竜児の方が、大河にとって身近で落ち着く存在になっている。

・大河が話題を改め、2人で実乃梨を怖がらせる作戦を練る。
 途中で祐作にばれ、亜美の助言で洞窟で肝試しをやることになる。(アニメ10話)

・2人で心霊現象を体験(髪の毛、足跡、ラップ音など)
 <アニメ9話「海にいこうと君は」終了>


‐5‐

・結局、怖くなって2人でリビングで起き続け、寝不足に

・実乃梨と仲良くサンドイッチを作る。
 実乃梨に料理の腕を褒められ、「高須くんのお嫁さんになる子は、幸せだね」と言われ、動揺する。
 そして「(昨日の話は)誰にも内緒ね」、「失言だわ」と言われる。
 (櫛枝家は共働きで弟は高校球児)

・亜美がビキニで竜児を誘惑し、「どうして実乃梨ちゃんを~楽しませ(るの?)」と聞く。
 しかし、竜児に黙秘され続けたため、「協力、やめ」と言う。

・海で遊ぶ。大河のパッド付きの水着、やる気のない亜美、祐作の「俺、うんこ」など。

・洞窟の探検へ。祐作による的外れな恐怖の関門が3回続き、昨日の髪の毛を発見する。

・3人とはぐれ、亜美と2人きりに。
  亜美が「あたしと離れ離れになると~寂しい?」と聞き、迷ったふりをしてからかう。
  そして竜児と実乃梨は「月」と「太陽」のような関係なので「合わない」と言い、
  「憧れだけじゃ、対等にはなれないよ。対等になれるのは、たとえば、あたし」、
  ▲亜美が指摘している通り、竜児の実乃梨への恋心は「憧れ」に過ぎないと考えられる。
   また、亜美が実乃梨との関係を否定することで、一瞬だけ竜児に好意を示している点にも注目したい。
   つまり、亜美の気持ちも竜児に傾きかけている。

・懐中電灯が消え、怪物のような声が響きわたる。
 大河が開き直って突進し、こけて溺れる。これにより、実乃梨の演技と判明する。


‐6‐

・一連の心霊現象が実乃梨と祐作によるもので、竜児と大河の作戦がバレバレだったことが判明する。
 また、実乃梨が実はホラー好きであることも判明する(まんじゅう怖い)。

・夜の花火中、竜児が「さっきの話の続き。俺は、おまえがいないと寂しいぞ。」、
 「寂しいと思ったら、どうすれば寂しくなくなるか考えろ。
  対等、なんだから。寂しいならまっすぐに、それを表現しろよ。」(p.239~240の要約)と言う。
 ▲「亜美の目が、強く光る」という表現があるので、このあたりで亜美は竜児に惚れたのだろう。
  単なる興味が淡い好意に変わる瞬間である。

 実乃梨が竜児に謝り、幽霊を見せてあげるために怖がらせたことを告げる。
 そして、なぜ自分を怖がらせようと思ったのか問う。
 竜児が「幽霊がいることを、信じさせたかった。幽霊を、おまえに、見せたかった。」と答える。
 実乃梨が「……そか」と言い、「次はUFO」などと今の自分の淡い恋心を示唆する。
 その瞬間、花火が打ち上げられ、2人は同時に好きな人への恋心を“見てしまう”。
 実乃梨が「爆発した――UFOが」と言う。
 ▲幽霊≒UFO≒花火≒好きな人への恋心。間接的だが、竜児と実乃梨が両思いを確認し合った瞬間と言える。

 大河がそんな竜児と実乃梨を見て、いつものように竜児に触れられなくなり、
 「やっと本当に理解できた。自分は全然わかっていなかったのだ。」と思う。
 亜美がその様子を呆れるように見る。
 ▲大河は実乃梨と共に離れていってしまう竜児をいざ目の前にして、
  喪失感を抱き、自身の竜児への好意がいつの間にか大きくなっていることに気づいたのだろう。
  一方、亜美はそのことをかなり客観的に傍観できているようだ。
  いわば彼女は物語を竜児&大河に向かわせる案内人のような存在である。

・旅行終了。あと何日かで夏休み終了(金曜日)。
 大河が今のままでいいと思う。
 <アニメ10話「花火」終了>



【5巻】…文化祭 / 表紙は体育座りしている大河 / 裏表紙は祐作

※担任の恋ヶ窪ゆりが30歳に!


‐1‐

・金曜日の放課後、ファーストフードで、生徒会の人たちが、1日しかない文化祭を盛り上げる計画を練る
 (公立、協賛・狩野商店)

・午後の体育のバスケ中、文化祭実行委員の春田がクラス展示をメイド喫茶にすることを提案。
 能登がチャイナを提案。竜児が貧乳の大河のためにロリータ系を提案。結局、祐作の助言でコスプレ喫茶に。
 (大河のジャージの裾がほつれる / 大河は運動神経抜群 / 春田は夏休みだけド金髪)

・2学期以降、実乃梨が竜児と距離を置くように(大河のジャージの裾が破れる)

・ロングホームルームで、文化祭実行委員の春田と亜美が皆にクラス展示を何にするか聞く。
 男たちが、鼻血を出しながらお化け屋敷を望む実乃梨や、三十路になり半生を嘆く恋ヶ窪ゆりを止め、
 コスプレ喫茶を企むが、バカな春田がクジ引きで決めたせいで、担任の案「プロレスショー」になってしまう。
 そして、ミスコンの出場者は亜美の推薦と祐作のなだめでマンゴーを食べていた大河になる。
 (亜美は司会なのでミスコンに出られない)
 (生徒会によると、今年はクラス対抗戦で、1位のクラスには豪華景品が出る)


‐2‐

・竜児がミスコン出場が不満な大河を見て「おまえは狭量だ」と言う。
 大河が毎月の生活費1万円を竜児に払おうとして、ATMの残高が0円であることに気づく。
  そして、父の電話をずっと無視していたせいだと察し、父を殺したいほど憎む。
  その後、父に電話で呼び出されたため、竜児に自分の代わりに父に会ってお金を取り返すよう懇願し、
  見返りとして洗い物をすることを約束する。

・竜児が仕方なく大河の父に会いに駅ビル2階のカフェへ。
 父が大河のメモを見て納得し、ベーグルをご馳走し、寂しそうに大金(高須家半年分!)を渡す。
 そして再婚者の“夕”と離婚し、大河と暮らすつもりであることを告げる。
 (前妻との離婚は前妻の母との不仲が原因。一方、再婚者の夕は若すぎたため、大河と合わなかった。)
 (父は40代、小柄、相貌は地味だが、お洒落で金持ち、
  チーズ入りサーモンベーグルを好む(大河似)、インテリア好き(竜児似)、ドジ(大河似))

・大河が約束通り、手際悪く、洗い物をする。
 その後、父に会うべきかどうかで竜児と喧嘩し、「私のほうがかわいそうよ!」と叫ぶ。
 (竜児は自分の父が消息不明なので、納得できない)(インコちゃんの悪口)


‐3‐

・放課後、春田のプロレスショーの台本が亜美のおかげで見直される

・洗脳を解く善の亜美vs洗脳する悪の大河&竜児という設定が明快で意外に良いと評価される。
 反対していた大河も、亜美の巧みな誘導で乗り気になっていく。

・実乃梨が「あーみん~変わったよね」、「自分から人の中に飛び込んでくよう(になった)」と言う。
 そして、竜児に「おまえも、なんか変わった」と言われて動揺し、彼と距離を置く。
 (実乃梨は『あしたのジョー』の丹下の格好)
 ▲亜美と実乃梨の変化。亜美は学校行事に積極的に参加することで、自分を変えようとしている。
  実乃梨は竜児を異性として意識するようになってしまい、彼を避けている。

・大河と父の件で喧嘩して数日後(季節は秋)、彼女の父が迎えに来る(車はメルセデス)。
 大河が「ストーカー野郎」と言い、父の金的を蹴る。
 竜児が必死に大河を説得し、「うちの親父なんかどんだけ望んだって帰っちゃこね――」と言う。
 直後に自分の境遇と現状を重ねた自己中心的な発言だと後悔するが、
 大河は「あんたが言うから、そう(良いことだと)思うことにする」と言い、父のもとへ向かう。
 <アニメ11話「大橋高校文化祭【前編】」終了>

・泰子が話を聞いて、「自分勝手なおとうさんだねぇ」と言う。
 竜児が、実家に帰れずに、通院してまで働いていた20歳の泰子を思い出し、
 やはり親のもとへ行けるのは良いことに決まっていると思う。


‐4‐

・文化祭前日。高須家は母子2人に。大河はレストランで父と食事をするように。
 大河によると、自分勝手な父は、土曜日に文化祭を見て、日曜日に引っ越す予定。

・大河が亜美に高級マカロンを渡し、父によいところを見せるために文化祭の役を交換するよう頼む。
 裏があると怪しんでいた亜美がそれを承諾し、代わりにセレブ父とのコネを求める。

・事情を知った実乃梨が大河の目を覚まさせるべきだと怒り、大河の父に強い不信感を示す。
 価値観の合わない竜児が怒り、実乃梨と口論になる。
 慌てて大河が「握手」と言い、仲裁しようとするが、竜児がそれを拒む。
 ▲竜児=父、実乃梨=母、大河=子と解釈すると、両親の喧嘩を止める子供のようである

・自動販売機の隙間で、実乃梨に怒ってしまった竜児が自己嫌悪に陥る。
 亜美が自動販売機の隙間を奪い、「好きな女の子相手に(よく怒れるわね)」と嫌味を言う。
  そして、クラスの雰囲気をフォローしたことを告げ、一緒に教室に戻るよう促す。
 竜児が「おまえ、変わったよな」と言い、どうすれば自分も変われるか聞く。
 亜美が「自分で考えな。私は大河みたいに高須くんとべったり一緒になったりしない。
  実乃梨ちゃんみたいに、高須くんにとっての『輝ける太陽』にもならない。
  私は、高須くんと同じ道の上の、少し先を歩いて行くよ。」(p.174の要約)と言う。


‐5‐

・文化祭当日。大河に実乃梨と仲直りするよう忠告されるも、謝れず。(こわもての竜児の顔)

・大盛況の2Cのプロレスショー
 (洗脳、「びびび」、恋ヶ窪ゆりの『担任の赤い糸』、実乃梨の『リングの妖精』など)

・竜児・大河・祐作3人で昼食。大河が携帯を見ながら、父の連絡を待つ。
 (すみれを嫌う大河、クレープ、御食事処・国立理系選抜、スーパーかのう屋など)

・プロレスショー終了。結局、大河が主役を演じることは一度もなかった(=大河の父は来なかった)。
 <アニメ12話「大橋高校文化祭【中編】」終了>


‐6‐

・ミスコンの準備(亜美による大河のメイク、竜児が繕ったドレスと天使の翼)。
 大河の父からの連絡はなく、竜児と実乃梨は仲直りしないまま。

・ミスコン開始。司会の亜美が女王様として登場。目立ちすぎて、候補者が空気に。

・そんな中、大河の父から竜児に以下のようなメールが届く
 「仕事の関係で行けなくなった。一緒に暮らすのもナシ。会社の都合で離婚できない。
  このままでまたやっていこう。大河に謝っておいて。」(p.234~235の要約)

・信じたことを後悔し、利己的な自分を嫌う
 (竜児は当初、大河を奪われたようで「寂しかった」。
  大河に必要とされることで自分の存在価値を見出していたから。
  そのため、一生懸命「いいことなんだ」と自分に言い聞かせていた。
  自分の欠損(消息不明の父)を大河が満たされることで補おうとした。)

・大河が父の不在に動揺して、こけるも、裂けたスカートを引きちぎり、自力で立ち上がる。
 そして、竜児と実乃梨の応援で開き直り、「父親(など)モルグに捨ててやった」と叫ぶ。
 その後、ボストンバッグに入るコンパクトさをアピールし、優勝する。

・生徒会が乱入し、ミスターコンテスト『ミスター福男』を開催する。
 賞品はミス大河と成績トップのすみれのノート。
 竜児が孤独な大河のもとへすぐに駆けつけてあげたいと思い、本気で走る。


‐7‐

・竜児が大河の父の本性を見抜けなかった自分に憤りながら、多くの妨害をかわし、実乃梨と手を繋いでゴール。
 大河が「大丈夫。私はひとりで、生きていけるから。」と思う。

・2C総合優勝。MVPは春田の推薦で恋ヶ窪ゆりに。後夜祭のキャンプファイヤーで盛り上がる。

・大河が気丈に振舞い、竜児と実乃梨を仲直りさせようとする

・祐作が大河をダンスに誘う。大河が礼を言う。
 ▲2人は告白で2回もすれ違ってしまったとはいえ、以下の点で、互いに感謝すべき存在である。
  祐作にとって大河はすみれに出会うきっかけを与えてくれた人(6巻参照)。
  大河にとって祐作は竜児に出会うきっかけを与えてくれた人。

※アニメ13話では、祐作とすみれの会話があり、彼が彼女に何かを言いたそうになっている
 ▲祐作はすみれへの好意を押し殺して、大河たちの所へ向かったのだろう

・実乃梨が竜児に謝り、1年前も大河の父が同じようなドタキャンをしたことを話す。
 そして大河に何でも話してもらえる竜児に嫉妬し、「私、レズなのか?」と言い、そっと否定される。
 いつの間にか、竜児と仲直りして、普通に話せるようになる。

・今宵だけはと5人で踊る
 <アニメ13話「大橋高校文化祭【後編】」終了>



【6巻】…生徒会長 / 表紙は狩野すみれ / 裏表紙はすみれ


‐1‐

・日曜日、すみれの重大発表(アニメ14話「しあわせの手乗りタイガー」)

・祐作が燃え尽き症候群になる(アニメ15話)

・大河が竜児を捨てて祐作をとったという噂が広まり、大河がご機嫌になる
 (リップクリームを鼻に)(アニメ14話)

・竜児と実乃梨が福男レースで2人でゴールした瞬間の写真を一緒に買う
 (イラストでは実乃梨が赤面している)(アニメ14話)

※アニメ14話のオリジナル:
 ・亜美が周りをフォローし「私って大人」と呟く→竜児が亜美に豚肉を渡し、「子供だよな」と言う
  ▲亜美は周囲への気配りに関しては一番大人だが、自分のことに関しては一番子供

 ・泰子が「(3人家族が)いっちばん幸せ」と言う
  ▲ラストで大河が竜児・泰子・自分という疑似的な家庭を望んでいる。襖の桜の花がその象徴。

 ・亜美が親に連絡し、転校せずに今の学校に残ることを告げる

燃え尽き症候群の祐作が、生徒会長選挙を棄権して、生徒会もやめる旨を皆に伝え、教室を飛び出す
 (恋ヶ窪ゆりの大学助教授とのデートが流れる)


‐2‐

・11月の金曜日の朝。大河に自分のマフラーを巻き、連絡のとれない祐作の行方を心配する。
 (北村家は共働き、大河のリップはニベアのウォーターイン)

・一夜で老いた恋ヶ窪ゆりが竜児と亜美を捕まえて、2人を面談室に連れて行く。
 そこで生活指導の教師と、生徒会をやめるためにグレてド金髪にした祐作と、我関せずの生徒会長のすみれに対面。
 竜児は絶句。亜美は「他人に(心配されるのを)期待しすぎ」と言い、祐作を嘲笑。

・亜美が妙に冷たいすみれに原因があることを見抜き、廊下で彼女に嫌味を言う。
 すみれが「(思い当たることは)あるにはある(が、そうだとしたら)もっと北村に失望する」と意味深に語る。

・祐作のド金髪がクラス中に知れ渡る

・昼休み、実乃梨が金髪にする方法を祐作に教えた春田を咎める。
 麻耶が心配する(▲祐作のことが好き)。
 大河が祐作とすみれの縁が切れると判断し、笑う。
 亜美が皆に生徒会長の関与を暴露して、
 「注目集めたいだけ。心配したってこっちがバカ見るだけ。知ったこっちゃない。
  彼は優等生だから、泣けば誰かが救ってくれるんだよ」(p.94~95の要約)と言う。

・実乃梨が竜児に北村家に行くことを提案


‐3‐

・放課後、実乃梨が「あーみんは北村くんのことがものすごく心配なんだよ。
 あーみんは大人の世界でお仕事してきてる人だから、いろんなことがわかってる。
 あんなふうに、嫌われることを恐れずに、『本当』のこと言ってくれる友達って、なかなかいない。
 だから、無知で未熟な私たちの、『最後の救い』であって欲しい。」(p.102~103の要約)と言う。
 (「大橋」(p.99))

・竜児が実乃梨の真剣さに改めて惚れ、「優しい奴、だな」と言う。
 実乃梨がそれを否定し、自分は「傲慢で、ずるい」と言う。
 ▲実乃梨は親友の大河に竜児を譲ることで、自分の本心(竜児への好意)から逃げている。
  また、そのせいで、竜児の気持ち(実乃梨への好意)からも逃げている。

・竜児が「俺は『最後の救い』にはなれないけど、おまえのこと、ちゃんとわかりたい」と言い切る。
 実乃梨が「高須くん、私に幻想を抱いている。キラキラキラ……嬉しいよ
 (今は説明できないけど、いずれ心を預けてもいいよ)。」(p.106~108の要約)と言う。
 そして一瞬泣きそうになり、何かを言いそうになる。
 実乃梨の瞳が、竜児の頭上に宙から飛来した何かを見つけたかのように震える。
 ▲実乃梨は大河がいるため、本心を言えない。だから竜児の頭上に大河を見い出したのだろう。
  『true tears』の乃絵の歌、「眞一郎の頭の上に(湯浅比呂美)♪」を思い出す。

・北村家は留守(兄のバイク、母の保険会社の車)(竜児のマフラーは大河が巻いている)

・祐作が高須家に家出し、竜児と大河が動揺する
 (母親たち(泰子と北村啓子)は既に連絡を取り合っている)
 (泰子は静代(毘沙門天国ナンバー2)と焼肉へ)

・大河が祐作にいいところを見せるために目玉焼きを作ろうとして、失敗する。
 祐作が焦げたそれを食べ、礼を言う(大河が渡したかったものがやっと祐作に届く)。

・午前3時半、土曜日。竜児と大河が、祐作が泣いていたことに気づく。

・コンビニに行く途中、大河が祐作の苦しみに気づかないまま喜んでいたことを悔やみ、泣く。
 竜児も『最後の救い』になれない自分に気づき、震える。
 大河が夜の星(オリオン座)を見て、祐作の本心を星のように遠く感じる。
 (アニメ15話では、竜児が大河に自分のマフラーを巻いている)


‐4‐

・やけ食いして午前11時に。大河が祐作に寝顔を見られ、動揺して大騒ぎする。
 睡眠を妨害された泰子が3人に3千円を渡し、追い出す。

・3人でファミレスに行き、オフで一人ランチ中の亜美を巻き込む(実乃梨はバイト中)
 (亜美は例のストーカーでモデルの仕事を2か月休んだ / 大河が亜美にドリンクバーをおごる)

・バッティングセンターへ。熱血の祐作、下手な亜美、上手な大河など。

・亜美が竜児を誘惑し、一緒に自動販売機へ。そこで「いろいろ、あるのよ」と意味深に言う。
 (竜児が亜美にジュースをおごる / 大河がホームランでぬいぐるみを得る)
 ▲亜美は夏休み以降、竜児を失って傷ついている大河を救うことと、
  自身の竜児への好意のどちらを優先すべきか、悩んでいる

・高須家で泰子が祐作の髪を黒髪に戻そうとするが、抵抗され、染髪料が亜美と泰子にかかってしまう。
 竜児が激怒し、祐作が「放っておいてくれ」と言い、出て行く。

・泰子がお詫びとして亜美にパスタを奢る(おごられ運)。
 亜美が泰子に竜児に好きな子がいて、それが大河以外であることを暴露する。
 泰子が大河ではないことを残念に思う。
 大河が「一人で生きていく」と宣言する。竜児が大河の本心を推し量りかねる。
 ▲大河は「祐作と生きていく」とは決して言わない。気持ちが竜児に傾き、迷っている。
  彼女は文化祭のミスター福男の時も「ひとりで、生きていける」と言った。
 亜美が本来なら大河こそ祐作のことを1番許せないはずだと思う。
 ▲心配してくれる人が周りにいる祐作がグレるのは、
  グレても誰からも心配されない孤独な大河にとって、本来は1番許せない。

・大河が実乃梨の「ホラーが嫌い」(まんじゅう怖い)を思い出し、
 祐作は本当は生徒会長になりたいのではないかと考える


‐5‐

・月曜日の朝、大河が自ら生徒会長に立候補することで、北村ホイホイ作戦を開始
 (『魔契約の書』、2Cはサクラで担任も理解、生徒会長選挙は土曜日)
 <アニメ15話「星は、遠く」終了>

・祐作が意固地になり、無視し続ける。そのまま木曜日になる。
 竜児と大河が祐作を理解していなかったことを嘆く。

・村瀬(生徒会の庶務・2A)が竜児に携帯で連絡し、最悪自分が代わりに立候補すると伝える。
 竜児が彼から真相(すみれが留学の予定を早め、来週には学校を辞めて渡米する)を聞き、激怒。
 祐作をブン殴ってやろうと思い、北村家へ。
 
・途中の河川敷で、既に父親に殴られた後の祐作に遭遇

・祐作が「会長が好きだった。だけど会長は宇宙飛行士を目指すほどの人だったので、遠い存在だった。
 本当は、生徒会長になって、卒業式の日に会長を笑って見送る予定だった。
 だけど留学の話が突然だったので、気持ちの整理がつかなかった。
 同時に、自分の無力さを知って嫌になった。」(p.218~224の要約)と言う。

・竜児が「望んだとおりにはならねぇよな」と言い、大河が電柱を蹴ったことについて話す。
 祐作がその話を聞いて「俺なんかとはレベルが違う」と言う。
 竜児が「会長も同じ星(オリオン座)を見ている」(p.226の要約)と言い、祐作を慰める。
 祐作が大河の声に気づき、「決めるから。ちゃんと、自分で」と言い、一人で帰る。

・大河に祐作のことを聞かれても、秘密にする。大河にマフラーを巻いてもらう。

・金曜日、祐作が黒髪になり、更生する


‐6‐

・金曜日、優柔不断な祐作が締切16時の立候補届けを出さないまま、竜児に「一緒に帰ろう」と言う

・祐作の回想:
  1年5月のバスハイクで初めて竜児と話す(それまで人相の悪い竜児は皆に避けられていた)
  高校デビューで大河に告白し、失恋する→直後にすみれが現れ、生徒会に入る

・15時58分、すみれが躊躇う祐作の背中を押す

・土曜日、体育館で生徒会長選挙の演説が始まる(竜児のマフラーは大河へ)。
 祐作が皆の前ですみれに告白するも、すみれに巧くはぐらかされる。

・すみれが竜児の追及に「逃げも処世術」(p.264~265の要約)と言い、本心を隠す

・大河が泣いていた祐作の慰撫を竜児に託し、祐作への好意を再確認し、彼に感謝する。
 (大河にとって祐作は、「自分が望んだもの(父)は決して手に入らない」という世界の法則に絶望した時、
  空っぽだった自分の手を掴んでくれた人)
 そして望まれている人が自分ではないとしても、できることはしたいと思い、木刀ですみれのクラスに殴り込む。

・すみれvs大河(すみれは剣道有段者)。
 大河が本心を明かさないすみれを臆病者・卑怯者と見なし、「(その性格が)北村くんを傷つけた」と叫ぶ。
 すみれが「好きなんて言ったら、北村はすべてを犠牲にして自分についてきてしまう。
 だから私はてめぇみたいなバカにはなれない。」(p.278~279の要約)と反論し、泣く。

・祐作が改めてすみれに告白し、彼女に礼を言い、泣く。祐作とすみれが見つめ合う(▲本当は相思相愛?)。

・教師たちが駆けつけ、その場をおさめる

・誰かが大河の生徒手帳を見つけ、文化祭でダンスをしている祐作と大河の写真を見てしまう。
 さらに、その下にもう1枚、別の写真があることに気づく。
 亜美がその別の写真を皆が確かめる前に生徒手帳を預かり、皆をまとめる。
 ▲結論から言うと、もう1枚の写真は文化祭の竜児と大河の写真。
  つまり、大河は表層心理では祐作のことが好きだが、深層心理では竜児のことが好き。
  この重なった2枚の写真が大河の複雑な二層の心理を見事に表現している。

・亜美がいつかの大河のように立ち尽くす実乃梨に「罪悪感は、なくなった?」と言う
 ▲本作の岐路。罪悪感は、親友の大河が深層で愛している竜児を好きになってしまうこと。
  しかし、写真により大河が祐作のことを好いていることが分かったため、その罪悪感がなくなり、
  竜児と実乃梨の恋が中途半端に実ってしまう可能性が出てきたわけだ。
  これが雑念となり、後に実乃梨はソフトボールの練習試合でエラーしてしまう。
  (ただし、祐作の写真の下には竜児の写真もある。実乃梨もその大河の気持ちに薄々気づいている。
   だから厳密には、実乃梨は「そんなはずはない、本当は…」と混乱しているとも考えられる。)

・亜美が自動販売機の隙間に逃げ込み、先の発言を失言と解釈し、後悔する(実乃梨に対する嫉妬もあった)
 ▲竜児&大河が理想だと冷静に理解していたのに、自分でそれを壊してしまったということ。
  また、竜児に好かれている実乃梨に嫉妬しているので、亜美も竜児のことが好きだと分かる。
  亜美は竜児への恋心と客観的な規範(竜児&大河が理想)のどちらを優先すべきか、悩んでいる。

・大河は2週間の停学に(狩野家の計らいで退学を免れる)。祐作は校内一かわいそうな奴に。
 (恋ヶ窪ゆりが8年ぶりに喫煙、オリオン座 / マフラーは大河に取られたまま)

・すみれが「ばか」とだけ書かれた大河からの手紙を見て、笑う
 <アニメ16話「踏みだす一歩」終了>



【7巻】…クリスマス / 表紙はサンタの帽子を持っている大河 / 裏表紙はサンタの大河

※春田の変な夢(オチは裸エプロンの竜児)


‐1‐

・12月の日曜日、実乃梨がソフトボールの練習試合でエラーして、負けてしまう。
 亜美に言われた「罪悪感は、なくなった?」が彼女の雑念となる。

・同日、竜児が大河の停学明けを祝うために、夕食をブリ鍋にする。
 大河が邪魔な自分がいなかったのに実乃梨と話せなかった受け身の竜児を批難する。
 しかし途中でクリスマス前であることに気づき、サンタのために「いいこ」になる。
 そして『クリスピークリーミー』ドーナツを天使の輪に見立て、「エンジェル大河」と自称し、
 竜児と実乃梨の恋の応援を約束する。
 (大河は弱みにつけこむようで失恋中の祐作を誘いにくい / 大河の首に竜児のマフラー)

・月曜日、大河が復学。「手乗りタイガーファンクラブ」に迎えられる。

・実乃梨がハゲヅラをかぶり、ソフトの試合での失敗をひきずる。
 竜児が傷心の実乃梨のヅラを外してやるも、目を逸らされる。

・新生徒会長の祐作が大河に土下座ならぬ土下寝をし、謝罪と感謝を示す。
 そして、例の告白以来、「失恋大明神」を始めたことを告げる。

・亜美が「いいこ」を演じる大河を気持ち悪がり、さりげなく生徒手帳を返す


‐2‐

・生徒会の昼の校内放送、『あなたの恋の応援団』の『大明神の失恋レストラン』コーナーで、
 ゲストの恋ヶ窪ゆりが、例の助教授がパチスロを打つばかりか、
 職業詐称までしていた(今は准教授と言う)ことを明かし、「水星がね、逆行してた」と言い出す

・大河が放送委員から祐作の放送を録音したロムをもらう

能登がファミレスでの期末試験の勉強会を提案する。その際、大河に妙に気さくに接する。
 (春田は学年で1番留年に近い男 / 兄貴ノート)

・祐作が24日の終業式の後、体育館でクリスマスパーティーを行うことを発表する。
 大河・竜児・亜美がその準備委員になる。部活での失敗を反省している実乃梨は断る。
 亜美が暗い実乃梨を挑発し、実乃梨が何か言うのを待つ(▲後の亜美vs実乃梨の伏線)。

・大河がインコちゃんにチキンにはしないと土下座する竜児と泰子を見て、「遺憾だわ」と言う

・ファミレスへ。実乃梨がバイトを休んでいることを知り、大河に「避けられてない?」と言われる。

能登・春田と祐作・麻耶が来る。
 能登がその場を仕切って、祐作と大河をくっつけようとする。麻耶がそれを不満に思う。
 ▲能登は麻耶のことが好きなので、祐作と大河をくっつけることで麻耶と祐作を引き離したい

能登に祐作と大河がお似合いであることを指摘され、「違う」と思ってしまう。
 ▲竜児の気持ちの変化。いざ祐作&大河を指摘されて、それを否定したくなっている。
  竜児の恋心は少しずつ実乃梨から大河に向かっている。

・さらに麻耶に自分と大河がお似合いであることを指摘され、
 「ギガント混乱するンガンゼンローゼス」(泰子から習った若者言葉)と思う。
 <アニメ17話「クリスマスに水星は逆行する」終了>
 ▲麻耶は祐作のことが好きなので、竜児と大河をくっつけることで祐作と大河を引き離したい


‐3‐

・準備委員会と勉強会で多忙に。恋ヶ窪ゆりに「報われなくちゃね」と言われる。
 (担任の計らいで大河も参加/成績は意外にも大河>竜児/名前の書き忘れで0点/担任のマンション購入)

・すれ違いばかりの実乃梨をイブのパーティに誘い、彼女を元気づけたいと思う

・体育倉庫で、亜美が祐作と大河の仲が気になる竜児を娘を嫁に出す父に、実乃梨を竜児の本妻に喩える。
 (パパ=竜児、ママ=実乃梨、子供=大河)
 そして「一からやり直して、自分も仲間に入れて欲しい」(p.132の要約)とぼやき、
 「結局みんな、自分のことが、一番わかんないんだよね」と言う。

・期末試験終了。実乃梨が竜児を避け続ける(兄貴ノートも使わず)。
 竜児が麻耶の恋愛相談を断る。大河が祐作に馴れ馴れしい麻耶を嫌う。

・大河と大量のクリスマスプレゼントを郵便局まで運ぶ。
 その宛先は父の陸郎と継母の夕、教会、児童福祉施設で、差出人はサンタ。

・大河が「(偽善だとしても)誰かが見ている(と)伝えたい」、
 「誰かがどこかで必ず私を見てくれている(と信じたい)」と言い、
 小さい頃にサンタ(おそらく父)に会ったことについて話す
 (彼女によると、彼女の女子校はカトリック系の名門で、ボランティアが必須だった。
  だが彼女は素行不良で足切りされた。)


‐4‐

・12月23日、スーパー「かのう屋」の店主(すみれの父)が
 亜美が仕事の時に入手したクリスマスツリーを軽トラックで届ける

・皆でツリーを組み立てる。組み立て中、竜児が皆が報われることを望む。
 祐作が天辺に大河の星を付ける。皆がツリーの完成を喜ぶ。

・実乃梨の打球でツリーと星が壊れてしまう

・実乃梨が何度も謝り、責任を感じる。そして粉々になった大河の星を自力で直そうとする。
 ▲この星を壊してしまうことは、大河の一番大切な人(竜児)を奪ってしまうこと=亜美の言う罪悪感そのもの
 竜児がそれを手伝い、「壊れたってちゃんと直る」と言い、彼女を慰める。
 そして走り出した恋心で実乃梨をパーティに誘い、かたくなに断られても「待ってる」と言う。
 <アニメ18話「もみの木の下で」終了>

・12月24日、準備。大河はドレス・ヒール・香水を、竜児は陸郎のスーツ・祖父の時計を身につける。
 (恋ヶ窪ゆりは「シングル女性のための不動産購入講座」へ)


‐5‐

・パーティ開始。大河と亜美がサプライズでクリスマスソングを歌い、踊る。
 (フルーツパンチ、「亜美ちゃん派」、ヌーディストサンタスタイルの祐作)

・亜美が「大河なら帰ったよ。実乃梨ちゃんをここに来るように引っ張り出しに行くって。
 見たくないもんでもあるんじゃない?」(p.220~221の要約)と竜児に忠告する。
 ▲大河は竜児と実乃梨が結ばれるのを見たくない≒竜児と結ばれたい
 竜児が「大河がいいこでいたのを知っている世界でたった一人の人間」が自分だと悟り、大河の所へ。

・大河が櫛枝家の玄関前で実乃梨を説得し、家に帰り、独りで過ごす
 (竜児のマフラー(▲大河を守る竜児の象徴)、靴擦れ(▲大人になりきれず傷つく子供の象徴))

・竜児がクマサンタを着て窓から逢坂家に入り、独りの大河を祝福する。
 大河が竜児に感謝し、彼を実乃梨のもとへ向かわせる。

・大河が竜児との関係の終わりを悲しみ、泣く。
 竜児を失って初めて、彼に強く依存していたことに気づき、「竜児がいなければ、恋もできない」と悟る。
 それを「いやだ」と思い、エントランスで「竜児」と叫ぶ。
 (竜児は父なので、そこから「巣立ち」して、一人で生きていく。
  大河はそう勘違いしていた。だが現実は「喪失」だった。)

・実乃梨が叫ぶ大河を偶然見てしまい、自分の推測を確信する

・校門前で実乃梨に「それ、いいクマだね」、「UFOも幽霊も、やっぱり私には見えなくていい」と言われる。
 振られた(壊れてもう直らない)と悟り、倒れる(プレゼントはスーツ内)。
 ▲UFOや幽霊は4巻のたとえ話。好きな人や恋心を示す。

・12月25日、インフルエンザ発症、39度超えの高熱に
 <アニメ19話「聖夜祭」終了>



【8巻】…修学旅行 / 表紙は実乃梨 / 裏表紙は泰子

※アニメ20話のオリジナル:正月、大河が失恋大明神の祐作に何かを願う


‐1‐

・始業式前日、大河が実乃梨の誤解を防ぐために、高須家に通うのをやめ、自立することを宣言する。
 そして竜児に実乃梨の真意を逃げずに確かめるよう促す(手もとにはカップラーメン)。
 竜児は実乃梨に振られて落ち込んでいるため、実乃梨に会いにくい状況。
 一方、大河は竜児の入院中は実乃梨が彼をふったことを悲しんだが、退院後は彼を無視している。

・始業式当日、泰子のおかげで、今月行われる修学旅行の同意書を思い出す
 (修学旅行の場所は沖縄)(ゲロジダンのインコちゃん)

・竜児がいざ実乃梨を前にして逃げそうになる。
 大河が「逃げるな」と叫ぶも、ドジって車に轢かれそうになり、竜児と実乃梨に助けられる。
 竜児がその場の雰囲気に耐えられなくなり、逃げながら「学校、燃えてなくなってねぇかな」と思う。
 (自分のピンクのマフラーを使う大河(▲竜児からの自立の象徴))


‐2‐

・学校に着く。実乃梨は見かけ上はいつも通り。
 (沖縄は5泊6日 / 髪を切った実乃梨(▲失恋?) / 祐作の乳輪、ちんすこう

・クマサンタを竜児に貸した村瀬の友人が竜児のスーツとプレゼントを返す

・捨てようとした安物のヘアピン(実乃梨へのプレゼント)が春田から事情を知っている大河へ

・ホテルが年末の火災で燃えてなくなったため、沖縄ではなく、2泊3日の冬山スキーに。
 生徒のブーイングに対し、恋ヶ窪ゆりが黒板に『人生、おもいどおりにはなんねーぞ!!』と書く。
 竜児が先の自分の発言、「燃えてなくなれ!」を思い出し、心の中で生徒たちに詫びる。
 (2年生は168人 / 亜美は仕事でハワイ)

・書店で、大河を待っている亜美に会い、「バカだから嫌い」と言われる

・スドバで、大河が頼んでいたハワイのポーチとサンダルを亜美から受け取り、お金を払う。
 亜美が修学旅行の行き先の変更を知り、それを不満に思う。なぜか竜児が謝り、2人に怪しまれる。

 大河が亜美に旅行中は竜児につきまとわないよう要求し、竜児が実乃梨に振られたことを暴露する。
 亜美が「ついに『大怪我』、したわけだ」と振られた竜児ではなく、大河を見ながら言う。

 大河が「(でも本当は)みのりんも竜児が好きなの」と言い、
  3年から受験で志望別クラス(竜児は理系、実乃梨は文系)になるので、
  修学旅行が実乃梨の真意を確かめる最後の機会であることを強調する。
 亜美が頷き、帰る時に竜児にだけ「『大怪我』したのがあんただけならよかったのにねぇ」と言う。
 ▲大河も大怪我したという意味。
  クリスマスの夜、大河も竜児と実乃梨が付き合うという現実をいざ目の前にして、竜児の喪失を悲しんだ。

・大河が「私は『あんた』を信じてるの。あんたは、みのりんが恋をするにふさわしい人間だって。」と言う。
 竜児が勇気づけられる(竜児にとっても大河は、その言葉を信じるに足る人間)。
 ▲この時点で夫婦のような信頼関係ができている


‐3‐

・翌朝、竜児が大河の計らいで、実乃梨と一緒に大河の鞄を持ちながら登校する。
 その際、実乃梨が竜児の手を握ろうとして照れる。
 (小学生の頃の実乃梨は坊主頭であだ名は『ミスターレディ』だった。
  実乃梨の1個下の弟は甲子園常連の強豪校にいる高校球児で、彼女の嫉妬の対象。)

・亜美が2人を見て、「あーあ、だねぇ」と実乃梨に嫌味を言う(▲亜美vs実乃梨の伏線)
 ▲再びパパ役の竜児、ママ役の実乃梨、子役の大河になってしまったという意味

・修学旅行の班決め。男4人と女4人の8人班を作る(恋ヶ窪ゆりは住宅情報誌を熟読中)。
 竜児・祐作・能登・春田グループ、大河・実乃梨グループ、亜美・麻耶・奈々子グループができる。
 女が1人多いので、能登と麻耶がもめる(背景に能登→麻耶、麻耶→祐作。7巻の2を参照。)。
 しかし祐作が、男16人と女17人なので、班の1つは男4人と女5人になると気づき、すべて解決する。

・日曜日。逢坂家で班全員で旅行のしおりを作る。
 皆が部屋の豪華さに驚き、隣同士の竜児と大河の腐れ縁を知る。

・皆で去年の沖縄旅行の冊子を見る。途中で亜美が祐作にすみれの写真を見せる。
 祐作がそれを見てショックを受ける。大河が攻撃的な亜美を咎める。(すみれは飛び級でMITに入学)

・竜児が紅茶を淹れにキッチンへ。
 実乃梨がマドレーヌを持ってきて、竜児の整理整頓を褒め、竜児&大河カップルを示唆する。
 そして大河の父の件でもめて以来、1年以上も逢坂家に入っていないことを明かす。
 その後、「ずっと、みんなこのままだったらいいのにね」と意味深に言う。
 ▲「竜児&大河カップルのままでいるべきだ」という意味だろう

・いつの間にか大河が祐作に自然に接するようになる
 ▲大河の変化。祐作への好意が薄れ、竜児に傾倒しつつあるため、緊張しなくなっている。


‐4‐

・修学旅行初日。皆でバス内でしりとりをして、雪景色を見る。(バスは6台)
 <アニメ20話「ずっと、このまま」終了>

・ゲレンデ着。祐作以外ダサい皆のレンタルウェア、私物ウェアの恋ヶ窪ゆり。

・皆が上手に滑る。下手なのは竜児と大河だけ。
 竜児が実乃梨の補助で滑るも、大河にそりで吹っ飛ばされる。

・午後、本格的なコース練習に。麻耶が祐作と一緒にリフトに乗ろうとする。
 (上級者は実乃梨・亜美・春田、中級者は祐作・能登・麻耶・奈々子、初級者は竜児・大河)

・大河が麻耶に祐作をとられても動じなくなる。祐作に対して冷静になる。
 竜児がそんな大河を見て違和感を覚え、「北村となんかあっただろ?」と聞く。
 対して大河が、動揺しながら、正月に祐作に偶然会って、初詣に行ったことを話す。
 そして「竜児に何でも言う義務はない」(p.185の要約)と言い、彼と喧嘩してしまう。

能登と麻耶も喧嘩する。
 祐作が止めようとするが、亜美に「そのニブさって天然?」と嫌味ったらしく言われる。
 さらに奈々子が鈍感な祐作に「ほとんど暴力」と言い、麻耶が泣き始める。
 結局、能登のせいになり、竜児まで悪役にされ、男と女の喧嘩になってしまう。


‐5‐

・夕食中、実乃梨とまともに話せないまま修学旅行が終わりそうなので、うんざりする。
 さらに自分の知らない所で祐作と大河が会っていたことに気づき、疎外感を抱き、席を外す。
 それを見た実乃梨も席を外し、竜児の所へ。
 ▲竜児の気持ちも実乃梨から大河に傾きつつあるため、大河が自分の見えない所で他の男と話すのが許せない

・実乃梨が竜児を振ったことなどなかったかのように、皆の喧嘩の解決策ばかり考え、
 「(能登くんは)大河が北村くんのことが好きって『誤解』してる」と断言する。
 そして竜児の目の前で大河から貰ったヘアピン(元は竜児のプレゼント)をつける。

 竜児が今後も実乃梨の「全然なんでもなかった」に合わせなくてはならないと悟り、傷つく。
 彼女の「傲慢でずるくて」(6巻の3)の意味を知る。
 つまり「このまま」心を殺し続けることを強いられ、自分の想いを受け入れてもらえない。
 耐えられなくなり部屋へ。

・祐作らが竜児のことを心配して男子部屋へ。
 竜児が思い切って、実乃梨への恋心を明かし、クリスマスイブに振られたことも明かす。
 祐作らが驚く。その後、女たちに物申すために皆で女子部屋へ。

・男たちが散らかった女子部屋を見て驚き、変態のように女子の私物をあさる。
 その途中で大河が戻って来たため、急いで押入れに隠れる。

・竜児が「つくつくぼーし♪」と歌うドジな大河を見て吹き出してしまい、ばれそうになる。
 そこに亜美たちも戻って来たため、止むを得ず大河も押入れに引きずり込む。

・麻耶が大河の本命が祐作ではなく竜児であることを願い、真相を実乃梨に問うも、はぐらかされる。
 (大河も出るに出られなくなる)
 亜美がとぼける実乃梨に嫌味を言い、竜児を振ったことを皆にばらす。
  そして「忘れたふりして、天然なふりして、皆仲良くこのままと言うのは残酷」(p.236の要約)と言う。
  さらに“罪悪感”を指摘し、「実乃梨ちゃん、高須くんのこと嫌いだからふった」と竜児に言うと脅す
 実乃梨が「私のなにがわかるの?~あーみんには関係ねーから」、「好きにすれば」と言う。
 麻耶と奈々子が険悪な関係になった2人をなだめ、和解させる(香椎家も離婚で片親)。

・祐作が「見てはいけないものを見た」と言い、大河が「気まずすぎる」と言う。結局、見なかったことにする。


‐6‐

・翌日の午前中、亜美が、「罪悪感は、なくなった?」という自分の嫌味のせいで、
 竜児は実乃梨に振られたのだろうと推測し、彼に謝る。
 そして決して本心を明かそうとしない実乃梨への嫌悪感を露わにし、
 「(竜児も自分も)バカだから嫌い」、「罪悪感でがんじがらめ。あたしも自爆だ。」と言う。
 ▲人に言った罪悪感が自分の罪悪感に。因果応報。

・そこにそりが突っ込み、亜美と実乃梨が売り言葉に買い言葉で大喧嘩してしまう。
 さらに大河がその喧嘩中に新雪の上に落ちた実乃梨のヘアピンを追いかけて、遭難してしまう。

・竜児が大河の手を掴んでいなかったことを後悔する。
 実乃梨が吹雪の中、大河を捜しに行く。竜児と祐作が追いかける。

・竜児が光るヘアピンを見つけ、それを頼りに大河のもとへ。
 大河が竜児を失恋大明神の祐作と勘違いし、初詣の願い(竜児への好意を消して強くなる)が叶わないことを嘆く。
 そして「どうしたって、竜児のことが、好きなのよ……みのりんとうまくいってほしいのに」と言う。
 (大河は40kg)
 <アニメ21話「どうしたって」終了>

・大河の気持ちに気づかなかった己の愚かさを知り、助けたのは祐作だったということにするよう彼に頼む
 (祐作によると、大河は酷く落ち込んでいて、真剣に拝んできた)

・大河はこめかみを少し切っただけですむ。意外にも実の母親が迎えに来たため先に帰宅する。

・春田が竜児のもとに戻ってきたヘアピンが何なのか理解する(▲バカな割に人の機微に意外と敏感)。
 実乃梨も理解し、自分が無意識に竜児を傷つけていたことに気づく。そしてラウンジへ行き、一人で泣く。



【9巻】…バレンタイン / 表紙は亜美 / 裏表紙は恋ヶ窪ゆり


‐1‐

・修学旅行から1週間。ホームルーム中、修学旅行以来、戻らない大河の悪夢を見て、叫んでしまう。
 恋ヶ窪ゆりたちに同情され、進路希望調査を明日提出するよう指示される。

・2月。放課後、能登と春田が竜児を気づかい、彼を行列のできるラーメン屋『十二宮』に誘う。
 そして店内でバイト中の実乃梨に会い、「六道輪廻」を浴びる。

 成績の悪い春田は卒業できれば十分で、父の内装の仕事を手伝う予定。
 国語だけ得意な能登は文系→文学部→出版社→音楽雑誌の編集→フリーライターを夢見る。
 数学が得意な竜児は理系。優秀なので、祐作と同じ国立選抜クラスも可。
  しかし経済的に苦しいので、就職する予定。しかも実乃梨(文系)と大河の件で悩んでいるため、混乱中。
 (進学校。6クラス。理系3クラスと文系3クラス。理系文系1クラスずつ、25人限定で、国立選抜。)

・帰宅中、竜児が突然現れた大河を見て驚き、思わずマフラーで彼女の首を絞めてしまう。
 その際、一瞬だけ互いに異性として意識し合う。

 竜児が勢いで遭難時の大河の告白を言いそうになり、悶える。
 大河がこめかみの絆創膏を見せ、怪我の軽さを示す。
  そして学校をさぼって久しぶりに会えた実の母親に甘えていたことを報告する。
  さらに遭難中は祐作の夢を見ただけで何も覚えていないことも明かす。
 竜児がそれを聞いて安堵し、祐作が大河を背負っていたことにして、「ドジだよな」と言う。
 大河が「ドジなりに、真剣ではあるのよ」と言い、竜児と実乃梨の関係を心配する。

 (大河の冷凍チャーハン(▲本当は1巻で竜児が作っていたチャーハンを食べたいのだろう))


‐2‐

・昼休み中、大河が嫌がる麻耶と奈々子に傷を見せる(アニメ23話)。
 竜児が皆に大河と付き合っていると思われていたことにようやく気づく。
 (昼の放送:演劇部のドラマ / 祐作が生徒会で忙しいため、実乃梨がソフト部の部長に)

・教員室で恋ヶ窪ゆりが竜児を呼び出し、進路希望調査の提出を求める。
 対して竜児が「親と意見が合わなくてまだ調整中」と言う。(未提出の人は竜児・大河のみ)

・渡り廊下で竜児が恋愛や進路のことで悩む。
 そこに実乃梨が来て、何も知らずに竜児の目の前でヘアピンをつけていたことを謝り、
 「私は(そのヘアピン)を、もらわない」と言う。
 そして悩んでいる竜児に自分で進む方向を決めるよう促す。(アニメ24話)

・実乃梨と亜美は未だ喧嘩中

※アニメ22話のオリジナル:
  自動販売機で実乃梨が幽霊の話をして、「見えないものに憧れて~見えてるものを見失うのは嫌だから」、
  「私はもう迷わない。ちゃんと前を向いて、見えるものに突進していく。」と言う。
  ▲見えないものは竜児への恋心。見えているものはソフトボールを続けること。
  亜美が「私が~余計なことして引っかき回さなきゃ、全部うまくいってたとでも言いたいわけ?」、
  「もういい。あんたと喋ってると何か生理中な気分になる。」、「うっせぇ」と言い返す。

・家で「(経済的に)進学は厳しい」と主張する(通帳の額の半分は春には授業料で吹き飛ぶ)。
 しかし泰子に進学を望まれる。バイトすることにも反対される。
 その後、向かう場所が決まっていない自分に気づく。


‐3‐

・泰子が日中、ケーキ屋でバイトをするように
 <アニメ22話「君のいる景色」終了>

・面談室で進路希望調査を提出していない竜児と大河が居残りをする(カマキリの落書き、カウンターの破壊)。
 竜児は経済的な事情で就職を希望。大河はお金持ちなので働く必要がなく、やりたいこともない。
 恋ヶ窪ゆりが親に反抗したことがない竜児のことを心配し、自分でよく考えるよう促す。

・大河が進路希望調査を紙飛行機にして窓から飛ばし、「どうにもなりゃしない」と言う。
 竜児がそれに共感する(経済的境遇は違うが、至った結論は同じ)。
 その後、大河が「ずっと~私は、ただ今の自分を、否定しているの」と言い、
 普通の家庭での普通の恋を望み、一人で帰る。

・教員室で何かを断っていた亜美に会い、靴を拾ってあげたのに無視されたため、怒って靴を投げる

・2月12日。公園の近くのベンチで、亜美が以下のようなことを告白する。

 いつまでこの学校にいるか分からないため、来年度の制服写真のモデルを断っていた。
 実は1学期が終わった時に今の学校を辞めるつもりだった(因みに前の学校の友達は一人もいない)。
 本当の自分でいられる今の学校にもう少し残って自分を変えようとしたが、今は後悔している。
 ▲別荘での竜児の言葉「俺は、おまえがいないと寂しいぞ」に勇気づけられたのだろう(4巻の6を参照)

 傷ついている大河を見たので、彼女を救い、他の綻びも何とかすることで、自分の居場所を守りたかった。
 ▲大河は別荘で竜児と実乃梨が両想いになる瞬間を見て、喪失感を抱いた。
  それを亜美も見ていた。(4巻の6を参照)

 一方、傷ついている寂しい自分に気づいてくれる人はいなかった。
 そのうちに気持ちを抑えるのが困難になって、余計なことをして、周りの関係をおかしくしてしまった。
 ▲亜美も4巻の6以降、竜児に好意を抱いていた。
  余計なことは実乃梨に嫉妬して「罪悪感は、なくなった?」と言ったことなど。

 (亜美:私立中学の受験で失敗→公立)


‐4‐

・泰子が倒れる。
 竜児が通院していた泰子のことを思い出し、平静さを失う。大河がそんな彼を心配し、彼を支える。

・責任を感じ、ケーキ屋アルプスの店主に「(泰子は)今日でやめ(る)」と嘘をつく。
 そして、バレンタイン前で人手不足の店のために、代わりに自分と大河がバイトをすることを約束する。
 (竜児にとって親に無断でバイトをすることは初の親への反抗)

・2月13日。ケーキ屋で初バイト。春田の女子大生の彼女~麻耶のことが好きな能登~サクラの亜美。

※アニメ23話のオリジナル:
  亜美が竜児を見て「別に皆じゃなくてよかったのにな。分かってなかったのは私も一緒か。」と呟く
  ▲皆から好かれなくても、竜児に好かれればそれで十分だったという意味。
   しかし彼女は竜児と大河の仲を取り持つことを優先していたため、自身の竜児への恋心から逃げ続けていた。

・大河がチョコを4つ購入し、「私がチョコレートあげたら、竜児は、嬉しいって思うのかな」と言う


‐5‐

・2月14日。バレンタインデーの放課後。集会室で大河が1番よいチョコを祐作に渡し、
 「遭難中、北村くんに助けられて、誰にも言えないことを口走っちゃった」(p.203~205の要約)と照れながら言う。

 それを聞いた実乃梨がしらばっくれる竜児と本心から逃げ続ける大河を咎める。
 そして遭難時に竜児が助けたことを大河に明かし、素直に竜児に告白するよう求める。
 動揺した大河が逃げようとするが、祐作と亜美がドアの前で通せんぼをする。

 実乃梨が「欲しいものを欲しがれない弱さを、私のせいにする奴じゃないってあんたのこと信じてる!」、
 「私の幸せは、私が、この手で、この手だけで、掴み取るんだ!
  私にはなにが幸せか、私以外の誰にも決めさせね――っ!」と言う。
 ▲実乃梨の生き方がはっきりする瞬間。彼女は恋ではなく夢を選んだ。

 しかしそれでも大河が逃げたため、祐作が「俺たちにできるのはここまでだな」と言い、
 亜美が「追いかけなくちゃねぇ。追いかける気がある人が」と言う。
 竜児が実乃梨の説得で追いかけることを決意し、実乃梨と一緒に大河を追いかける。
 <アニメ23話「進むべき道」終了>

・実乃梨が大河を追いかけながら、ずっと竜児のことが好きだったことを告白し、
 親友の大河が竜児を必要としていると思うのは傲慢な勘違いだったことも明かす。
 そして「私の幸せは私が決める」と宣言する。その後、転んだせいで鼻血を出す。
 ▲彼女には夢があったため、大河の理想的な相手を竜児と勝手に決めつけることで、
  自身の竜児への恋心を封印する必要があった

・保健室で実乃梨が竜児に以下のようなことを告白する。

  私が頑張る理由は意地。
  弟は甲子園に行き、プロを目指しているのに、自分は女だからという理由で野球を続けられなかった。
  家庭は弟の夢が最優先で自分の夢は後回し。
  だからお金を貯めて、自力で体育大に進んでソフトボールを続けたい。それでバイトばかりしていた。
  私は私のやり方で自分の幸せを掴みたい。ただの意地だけど、前向きであり続けようと決めた。

 そして亜美と仲直りすることを望み、「ジャイアントさらば」をして、彼に大河のもとに行くよう促す。
 (2人の恋は実らなかったが、絆は永遠を約束された)

・バイトへ。大河が「笑わないで。お願い。……バイトが終わったら、話を聞いて。
 もしも私が逃げそうになったら、……ちゃんと、捕まえて。お願い」と恥ずかしそうに言う

・泰子が来て、嘘をついてバイトをしていた竜児を非難する。
 妊娠中の大河の実母も黒のポルシェで来て、大河を新しい家庭に連れていこうとする。

 大河が母の新しい男とその子と一緒に暮らすことを拒む。
 竜児が勉強をしなかった泰子を責め、親の失敗の反省を強要されることを拒む。
 2人で駆け落ちする。雪が降り始める。



【10巻】…家族の再生 / 表紙は憑き物が落ちたかのような大河 / 裏表紙はドラゴンの竜児


・櫛枝家で実乃梨が寮で暮らす弟(みどりー)と電話する(弟との関係は険悪で、家庭は弟を優先)

・雪の中、竜児と大河が追手におびえながら、手を繋いで逃げ続ける(竜児のマフラーが大河へ)

・北村家で祐作がレポート代筆のバイトをする(顔が広い兄の依頼)。
 その途中で大河の母が捜しに来たため、まずいと思う。


‐1‐

・夜の大橋へ。
 大河によると、父が訴訟で負けて自己破産して、夕と逃げたため、もうお金がなく、家にも帰れない。
 (そのため彼女の実母は彼女を引きとって、逢坂陸郎と無関係になりたい)

 竜児が大河にキスし、怒られると思って、欄干まで後ずさる。
 大河がそれを身投げと誤解し、怒りながら「好き」と告白する。
 そして「自分は生まれてこない方がよかったなんて、二度と、言わないでよ」と言い、彼に飛びつく。

 竜児が大河に押されたせいで橋から川に転落し、怒る。
 その後、「もうすぐ俺は十八になる」、「嫁にこい」、「好きだ」と告白する。
 それを聞いて大河も橋から川に飛び降り、彼の傍へ。
 ▲高2の竜児は2巻の5よりうお座(2月20日~3月20日)なので、すぐに18歳にはなれない。明らかな設定ミス。
  因みにアニメではおうし座(4月21日~5月20日)になっているが、
  「ジンギスカン」は羊の肉なので、おひつじ座(3月21日~4月20日)にすべき。

・亜美たちが、真冬の川の中で凍える2人を発見し、救出する


‐2‐

・亜美が2人を伯父の家に匿い、風呂に入れる(硬すぎて歯が立たない大河のチョコ)

・駆け落ちに対し、亜美は非現実的でガキっぽいと思い、反対する。
 しかし祐作は賛成する。実乃梨も大河の父の酷さを知っているため、賛成する。

・大河が次のようなことを告白する。
  母は離婚の際、自分を捨てて、他の男と子供を作った。そんな人が私を愛してくれるとは思えない。
  でも、そんな中、竜児のことを好きになって、ずっと見ていたいと思った。
  竜児と実乃梨は相思相愛だったし、自分が望んだものは壊れてしまうけれど、それでも竜児のことが好き。

・亜美が共感して、別荘の鍵を渡そうとする。しかし竜児が一度帰ることを決意する。
 大河が迎えに来た母のポルシェで帰る(母はよそよそしい態度で、まるで最後の別れかのよう)。

※アニメ24話のオリジナル:
 ・実乃梨が通帳(バイトで貯めたお金)を2人に渡す
  ▲自分の夢のために貯めたお金を安易に手放すのはいかがなものか。
   恋ではなく夢を選んだ彼女の決意が揺らいでしまう話なので、ここは蛇足だと思う。

 ・竜児と大河が去った後、実乃梨が泣く。
  亜美が「あたしらが人生語るなんてまだ早いっての。
  これから先、10年先も、20年先も、60年先も、続いていくんだからさ。」と言う。
  その後、実乃梨と亜美が仲直りする。
  ▲実乃梨と亜美の仲直りを丁寧に描いた点では、アニメの方がよい

・一時帰宅して、泰子に家出されたことに気づく。
 (インコちゃんもいない。残されたものは泰子の実家の住所が書かれているメモと例の時計のみ。)

 親子で見捨て合うという負の連鎖に絶望し、カッとなって時計を叩きつける。
 そのせいで大河の封筒(1巻参照)で隠していた襖の穴が再び開いてしまう。

 しかし大河のために自分がしっかりするしかないと判断し、立ち直る。
 掃除をしながら、サバンナで皆と仲良く食事をする光景を思い描く。


‐3‐

・翌日。恋ヶ窪ゆりが泣きながら大河がこの学校をやめることを報告する。
 その途中で竜児と泣き真似をしていた大河が再び逃げ出す(春田たちの協力あり)。
 逃げられた担任が大河の母ともめ、教師生命を賭けて、竜児のメモを信じる。

・2人で行くべきところに行く


‐4‐

・泰子の実家に行き、泰子の両親に例の時計を見せることで身分を示し、泰子の家出を知らせる
 (因みに「高須」は父親の姓ではない)
 <アニメ24話「告白」終了>

・「竜児が事故にあって大ケガ」という嘘のメールを送ることによって泰子を呼ぶ。
 泰子が急いで駆けつけ、竜児に触れ、心配したことを告げる。
 (母は高須園子・55歳、父は清児・57歳 / チャーハン)


‐5‐

・家族の再生を約束し合い、大河と一緒に寝る
 (「どんどん大人になっていく」、「眠れるわけなど」という独特の表現あり)
 ▲因みに『月刊アニメスタイル第1号』の田中将賀のインタビューによると、
  電車のシーンで大河が脚をモジモジさせるのは、昨夜セックスしたのが痛かったから。
  したがって、あちこちのブログで見かけた「竜児と大河はプラトニックだ」という見解は怪しい。
  ただし上記は一個人の考えに過ぎない。最終的な判断は皆さんに委ねたい。

・翌朝、大河が一人で母のもとへ

・追いかけて、いつもの4人で空っぽの逢坂家へ。
  「これでいいんだ」と思う竜児。納得できず悲しむ実乃梨。
  大河との再会と実乃梨との仲直りを望む亜美。皆を見守る祐作。
 ▲竜児は信じている。大河が逃げずに新しい家族と向き合って、やがて帰ってくることを。

・3学期の終業式前。停学処分の代わりに反省文を書き、教員用トイレを掃除する。成績も一流に。
 進路調査票に「みんな幸せ!」と書き、皆で仲良く過ごす。

・高校3年生の始業式。
 (ナンバー2の静代が新しいママになったため、泰子は『お好み焼き・弁財天国』へ)

 1巻冒頭の言葉「この世界の誰一人、見たことがないものが~」を繰り返す。

 大河に再会する。
  大河によると、母は退学届けを撤回して、休学届けにしておいてくれた。
  さすがに逢坂家にはもう戻れないが、近くに住んでいる。新しい父と弟もいる。

※アニメ25話のオリジナル:
 ・大河が自分の母親も自分のような子供に過ぎないことに気づき、親と向き合うことを決心する。
  そして夜空に浮かぶ自分のような小さな星を携帯で撮り、それを皆に送信する。
  (久しぶりに竜児のマフラーを首に巻いている。この後、このマフラーは竜児のもとへ。)

 ・大河の生徒手帳:文化祭の祐作&大河の写真の下には竜児&大河の写真!(6巻の最後を参照)

 ・実乃梨が大河の写真を「頑張る」という伝言だと解釈する。
  亜美がクリスマスの星の写真を大河に送信することを提案する。皆がそれを受け入れる。

 ・体育倉庫で亜美が竜児に大河と同じような子供だと見抜かれたこと(アニメ14話を参照)を話し、
  「分かってくれる人が一人でもいたら、きっと、大丈夫なんだよね。たとえそれが、恋じゃなくたって。」と言う。
  ▲亜美はここで単純な恋愛だけでは説明できない、竜児との深い繋がりを得たのだろう。
   全体的にアニメ版の亜美の方が丁寧に描かれている。

 ・担任がクラスの集合写真(クリスマスの星を持つ竜児など)を撮影する

 ・卒業式。セーラー服姿の大河(←原作とは違い、転校した)を見かけ、教室へ。
  1話の時のようにロッカーの中にいる大河をちゃんと見つけ、「好きだ」と言う。

 <アニメ25話「とらドラ!」終了>