穴馬は複勝よりも単勝や馬連の方が得
10番人気以下の穴馬は複勝よりも単勝や馬連の方が明らかにお得。
その理由を具体例を挙げながら説明していく。
具体例1:2016年9月18日、阪神11R、第34回関西TVローズS
1位:7(シンハライト)、2位:1(クロコスミア)、3位:3(カイザーバル)
1の単勝は77.6倍もあったが、複勝はたった8.8倍だった。
通常、平均すると単勝オッズは複勝オッズの3倍になる。
単勝は正解が1つしかないが、複勝は正解が3つあるから。
たとえば18頭ですべての馬の強さが同じなら、単勝の確率は1/18で複勝の確率は3/18。
オッズは、控除率を無視すると、この確率の逆数なので、単勝18倍で複勝6倍。よって18÷6=3。
この仮説に基づいて考えると、1の複勝オッズ8.8倍は明らかに安すぎる。単勝の9分の1ぐらいしかないのだから。
逆に単勝は複勝の約9倍もあるため、お買い得。
同様に、馬連の1-7も74.3倍もついているのでお得。
通常、馬連オッズはそれぞれの単勝オッズを掛け算して2で割れば近い値を出せる。
N頭だとすると単勝オッズ(通り数)はNで、馬連オッズ(通り数)はN×(N-1)÷2だから。
N≒N-1とアバウトに考えれば、馬連オッズ(通り数)はN×N÷2。
(厳密には控除率などの様々な誤差があるが、だいたいの値はこれだけで出せる)
この仮説に基づいて考えると、7の単勝オッズが1.6倍、1の単勝オッズが77.6倍なので、
馬連オッズは1.6×77.6÷2≒62倍ぐらいになる。
しかし実際には74.3倍なのでお得。
しかもこのレースは少し詳しければ、7のシンハライトが圧倒的だと分かるので(低いオッズだけでも理解できる)、
1のクロコスミアさえ読めれば、誰でも7を相手にすることを最初に考える。
ゆえに1さえ読めれば馬連も自然に当たる。
こういう場合はビビッて複勝を買わないで、思い切って1の単勝や馬連を狙った方がよい。
結果としては2着だが、ハナ差の内容を考えれば1着でも不思議ではなかったし、馬連はとれている。
具体例2:2016年4月23日、福島11R、第13回福島牝馬ステークス
1位:8(マコトブリジャール)、2位:16(シャルール)、3位:6(オツウ)
8の単勝は53.1倍もあったが、複勝は8.2倍しかつかなかった。
これも先ほどの単勝オッズは複勝オッズの3倍という原則に気づけば、思い切って単勝を買った方がよいと理解できる。
特に2着がダントツの1番人気の時にこういうオッズ構成になりやすい。
1番人気が絡むと複勝オッズはあまりつかない。
同様に、馬連の111.3倍も狙いたいオッズ。
8の単勝オッズが53.1倍、16の単勝オッズが2.8倍なので、馬連は53.1×2.8÷2≒74倍。
しかし実際には111.3倍もついているのでお得。
これもビビッて複勝を買わないで、思い切って単勝や馬連を狙った方がよい。
このレースはこうした期待値の考察に、
スローペースの可能性、騎手の能力(堅実な北村、ムラのある横山)、大外にいる人気馬のリスク
などを加味すれば簡単にとれるレースだった。
年に数回しかないお得なレースだった。
スローペースなら6も残ることになるので、3連単さえ狙えたかもしれない。