『とある科学の超電磁砲(レールガン)』13巻(冬川基、2017年11月)のまとめ
(要約・考察・感想・レビュー)
第89話:厄日(やくび)
・『屍喰部隊(スカベンジャー)』の少女、リーダーの紹介:
『鳥瞰把握(プレデター)』の強能力者(レベル3)、教師に虐げられた過去あり→優等生を嫌う
・操歯(くりば)の回想(食蜂から美琴への報告):幼い頃、崩落事故に遭うも、母の肺移植で助かる
→母が肺水腫と感染症で限界に→母を助けるために、自らサイボーグ実験の被験者に
・美琴が本物の操歯を助け、清ヶを退ける
「こんなナリしてっけどそっちと同じモンついてる」→清ヶは男?
清ヶの回想:占い、一方通行(アクセラレータ)にボコられた週→厄日
・ドッペルゲンガーがナルの紙を奪い、薬丸(やくまる)を襲うが、全裸のナルに止められる
・美琴がリーダー達の所へ。リーダーが研究所の捕獲チームと称し、美琴に協力を仰ぐ。
(ナルだけは精神的に幼く、空気を読めない)
第90話:欺瞞
・清ヶの紹介:摩擦係数の制御。コスプレが趣味。
・リーダーが風紀委員(ジャッジメント)と称することで、難を逃れる
(黒子、食蜂からの電話→捜索の手がかりは飛行船、美琴に媚びるリーダー、ゲコ太)
第91話:折衝
・ナルの紹介:紙を媒体とする念動使い(サイコキネシスト)
・美琴vsドッペルゲンガー。美琴でさえ手こずる。途中でリーダーを抱え、撤退。
・ドッペルゲンガーが北北東のレーダー施設を目指す
(電話越しの食蜂いわく、敵の狙いは飛行船の爆散による『魂の拡散』)
・リーダーがドッペルゲンガー引き渡しに指定された第八〇八六倉庫に近づいていることに気づき、
美琴にドッペルゲンガーの誘導(進行方向の変更)を頼む。
頼まれた美琴がリーダーに武装無能力集団(スキルアウト)の避難指示を任せる。
・薬丸が有毒ガスが漏れたという嘘と色仕掛けで武装無能力集団(スキルアウト)を避難させる
(相変わらず空気を読めないナル)
・倉庫でリーダー達が研究員に暴走中のドッペルゲンガーを引き渡し、受領のサインを強要し、脱出。
(Bランク / リーダーいわく、ドッペルゲンガーには周囲の物体を取り込む機能がある)
・リーダーが自身のことを見下さずに信用してくれた美琴のことを思い出す
第92話:巨像
・美琴が戦いながら、ドッペルゲンガーの能力である『魂の憑依』を分析。
ドッペルゲンガーが圧倒的質量に(巨大化)。美琴も「質量には質量で」と言い、砂鉄で対抗。
・操歯が基本設計(母を救うサイボーグ技術)を研究所に送り、死ぬ覚悟でドッペルゲンガーがいる所へ向かう
・美琴が微細なパーツ(砂鉄)をドッペルゲンガーの内部に侵入させることで優位に立つ。
しかしドッペルゲンガーが複数の高圧ガスホルダーを街に落とそうとする。
美琴が砂鉄の弾丸でそれを止めるが、その影響で砂鉄の粉塵が火山灰のように空を覆う。
その結果、ドッペルゲンガーが灰かぶり姫(シンデレラ)(飛行船)を易々と発見。
第93話:犠牲
・ドッペルゲンガーが美琴の前で分裂。そこに操歯がバイクで駆けつけ、「提案がある」と言う。
それを聞いたドッペルゲンガーが操歯をさらい、飛行船の上へ。
・飛行船の上で操歯がドッペルゲンガーを説得。
操歯いわく、二ヶ月待てばインディアンポーカーのおかげで魂を消滅させる手段が生み出される。
そして消すのはドッペルゲンガーの魂ではなく、自身の魂である。
しかし操歯のことを信用できないドッペルゲンガーがその提案を一蹴し、
「身体を差し出す覚悟があると言うなら今すぐ死んでみせろ」と言う。
ドッペルゲンガーの望みは自身を製造できる操歯が消えることで、操歯の身体はどうでもよい。
・母を助ける算段がついた操歯(92話参照)が飛行船から飛び降り、本当に死のうとする。
しかしリーダー達が操歯を救う(美琴の前で照れるリーダー)。
第94話:推量
・薬丸の紹介:容姿の良さを自覚
・研究所の所長が今までの研究成果がパアになることを恐れ、頭を抱える
・美琴が携帯電話で食蜂に人工筋肉に関する論文の画像を求める。
さらにリーダーが美琴にその画像の転送を求める。
それを見て、ドッペルゲンガーを発見した時、彼女が何かを製造していたことを思い出す(12巻87話参照)。
リーダーと食蜂の推測によると、ドッペルゲンガーの能力である『魂の憑依』の正体は
自己増殖し、物質内にマイクロレベルで入り込む、蟻の寄生菌と粘菌の特性を持つ「人工筋肉」。
サイボーグに詳しい操歯の脳と同化し、その思考法を一年も学習したサイボーグの「人工知能」によるもの。
・美琴がドッペルゲンガーと対峙。いわく、ドッペルゲンガーの絶望は人間ではなかったことだけではない。
真の絶望は「魂の不在」を確信したこと。
第95話:初心
・美琴vsドッペルゲンガー(リーダーの援護、デコイ、ドリルなど)。
ドッペルゲンガーの望みは人間に対する復讐で、真の目的は飛行船ごと自殺すること。
いわく、自分が紛い物であることを知ってなお、生き続けるのは苦痛でしかない。
・美琴が飛行船ごとドッペルゲンガーを破壊(ドッペルゲンガーの狙いは自身、飛行船、操歯の破壊)
・あきらめきれない研究所の所長が操歯にピストルを突きつけ、美琴にドッペルゲンガーの引き渡しを要求。
操歯に説得されるが、誤射してしまい、逃亡。
ドッペルゲンガーが「悪運の強い(やつだ)」と言い、自身(人工臓器(サイボーグ))の利用を勧める。
(ミアヒリン→サイボーグ後遺症の抑制剤、12巻88話参照)
・魂の不在を認められない所長が『置き去り(チャイルドエラー)』の利用を考える。
しかし食蜂が彼を心理掌握し、「初心」を思い出させる。
第96話:再会
・リーダーが『屍喰部隊(スカベンジャー)』を強くする案を求める。
ナルが新メンバーの増員を提案。戦隊もののイエローが足りないと判断し、
変身するために清ヶの服を脱がそうとする。そこからナルvs清ヶに。
(清ヶたんの清ヶたん、清ヶはブラックよりブルー)
・「SOUND ONLY」の者がクライアントの企業が倒産し、ギャラを踏み倒されたことをリーダー達に伝える。
リーダーが「僕たちは現場でカラダをはってる」「あまり舐めないでいただきたい」と言い、粘り強く交渉。
根負けした「SOUND ONLY」の者が報酬ゼロのかわりにAランクへの復帰を認める。
・リーダーが通信機(ゲコ太)を見つめ、「気に入ってる」と言う(美琴のファンに)
・操歯の夢:ドッペルゲンガーが操歯を電車から引きずりおろす。謝罪を拒絶し、自己犠牲の精神を指摘。
そのうえで共生を提案し、母のサイボーグ技術における3つの修繕ポイントを指摘。
・病院で内臓の一部を人工臓器(サイボーグ)に置き換える手術を受けた操歯が「眠るのが怖い」と美琴に言う。
(夢の中でドッペルゲンガーに研究のダメ出しをされたり、自身の黒歴史を暴露されたりするようになる)
そして美琴に謝罪し、「ドッペルゲンガーの稼働期間の中で唯一 君との戦闘は充実したものだった」と言う。
美琴が「アンタも結構手強かったわよって 夢で会ったら言っといて」と言う。
※カバー下:巨大化した操歯(ドッペルゲンガー)、美琴による雷巨人
裏表紙:操歯