赤目無冠のぶろぐ

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帰ってきたニートの一日の作者。詳しくははじめにへ。

駆虫薬、メベンダゾールの抗がん作用

※この文は漫画「ニートの思想」第74話でも読める
 (閲覧するためにはニコニコの無料アカウントが必要)
 http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg405504


今回は話題になっている駆虫薬(くちゅうやく)、虫下し(むしくだし)である
メベンダゾールやフェンベンダゾールの抗がん作用について。
特にがん患者とその家族がネット掲示板ツイッターで調べている薬。


だいぶ前のニュースだが、
余命3か月と宣告されたアメリカの男が犬の駆虫薬のフェンベンダゾールを服用したところ、
がんが治ったらしい(出典は以下)。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/253187

このニュースの影響でがん患者やその家族が虫下しの薬を求めている。


正直、最初は「エセ科学では?」と疑っていた。
だが銀座東京クリニック院長の福田一典さんのブログによると、本当に研究があるらしい。
標準的な治療法ではないが、代替療法としては有力である(出典は以下)。

https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/84bc23d96b106a21b463269a0c898aab
http://www.f-gtc.or.jp/mebendazole/mebendazole.html

というわけで今回はこれを要約する。
人の命を救える可能性があるので、有意義な内容であると判断した。


このブログによると、駆虫薬(虫下し)に抗がん作用があることは2011年に発見された。
5年前(2014年)からがんの代替療法として注目されているらしい。
そういう論文がある。
(知らない人にとっては「もっと早く言えよ」という情報だよな…)


具体的には、ベンゾイミダゾール(Benzimidazole)系のメベンダゾール(Mebendazole)が有力。
寄生虫を殺す薬。
既存の医薬品を再利用するだけなので簡単。お金もたいしてかからない。


※ただし、多くは動物実験
 紹介されている論文によると、人を対象とした実証例はたった2つ。
 しかも2例とも完全に治ったわけではなく、一時的な効果。
 発展途上の医療なので、慎重に考えるべきだろう。
 100%治ると断言できるわけではない点に注意。
 ぬか喜びになるとまずいので、最初に断っておく。


とはいえ、コンピュータ解析でも抗がん作用がきちんと示されているらしい。
その解析によると、アルベンダゾール(Albendazole)ではなく、メベンダゾール(Mebendazole)が有力。
腫瘍をなくすらしい。
とにかくこの「メベンダ」というヤツを覚えておけばOK。


メベンダゾールの効果は2011年にマウスを使った研究でたまたま発見されたらしい。
フェンベンダゾール(Fenbendazole)を投与されたマウスは腫瘍が増大しなかった。
(これがさっきのアメリカの男が使った薬)
それで研究を進めたら、ベンゾイミダゾール系の中でメベンダゾールが最も効くと分かったそうだ。


他にも様々な情報があるが、とにかくメベンダゾールという薬がよい。
脳腫瘍の治療薬として使用されているビンクリスチンよりも効くという報告もある。
しかも副作用が少ない。
(正確に把握したい人は福田さんのブログを読もう。出典も明記されている。)


※ちなみに、これ程までに有力な薬が標準治療で使用されないのは特許の問題が関連している。
 (大人の事情があるんだよな…)
 福田さんのブログの400話を読むとそれがよく分かる(出典は以下)。

 https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/af2c02ef454635757e9ac8402b990d8d

 少しややっこしい話なのだが、福田さんの説明によると、
 既存の薬は後から抗がん作用が認められても、特許の期限の関係で特許を申請しにくいらしい。

 そうなると保険適用薬にならない。つまり標準治療の薬としては使えない。

 だから効果がある可能性が高くても、代替医療ということになってしまう。
 例のニュースが配信されるまであまり知られていなかったのもそのせい。

 ネット掲示板では「製薬会社がぼろ儲けするために真実を隠しているんだ」というような
 いわゆる陰謀論が一部で流行っている。
 だが実は隠すつもりはまったくなくて、単に制度とコストの問題が背景にあって、
 柔軟に対応できなくなっているだけのようである。
 (こんなことで医療が遅れて死人が増えているとしたら本末転倒…制度改革が求められる)


繰り返しになるが、実証的には発展途上の医療なので、過信は禁物。
しかし代替療法としてはかなり有力な薬なので、いちおう紹介しておく
当事者としては深刻な問題なので、これで助かる人が増えることを願う。

特に他に方法がないと宣告された末期のがんの人が最後の賭けとして使うのはありだと思う。
ギャンブルに近いが、ダメ元だと考えれば試す価値がある。
それに副作用が少ないそうなので、仮に効かなかったとしても、この薬のせいで悪化する可能性は低い。
そうなると、なおさら試す価値がある。


以上、暇人ニートによる要約でした。