赤目無冠のぶろぐ

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帰ってきたニートの一日の作者。詳しくははじめにへ。

九九は覚えなくても大丈夫

今日は小学校で習う九九について語りたい。
結論から言うと、数学的な考え方が定着していれば、九九はすべて覚えなくてもいい。
これが最近の私の考えである。


そもそも我々はなぜ九九を習うのか。
それは1桁×1桁の結果を丸暗記すれば、2桁以降はその基本の組み合わせで対応できるからである。

たとえば12×8を計算する場合、(10+2)×8と認識すれば、後は1桁×1桁を習得しておけばよい。
つまり、この場合は1×8を10倍したものと2×8を足すと認識すれば簡単に解ける。
答えは10×8+2×8=96である。

このように、1桁×1桁を習得すれば、2桁以降は今まで覚えたことを組み合わせれば必ず解けるようになっている。
だから1桁×1桁だけは最低限暗記しておいた方がいいわけである。
これが本来の九九の意義である。


しかし、本当に81個も覚えなくてはならないのだろうか。
さすがに1の段ぐらいは覚えておいた方がいいだろうが、日常生活で7の段や8の段を頻繁に使っているのだろうか。
また、仮に使うことになったとしても、他のやり方で論理的に演繹すればいいのではなかろうか。
言い訳のような感じにも聞こえるが、前々からそういう疑問があった(断っておくが私は九九を完璧に暗唱できる)。


そのようなバカバカしいことをわざわざ考えていてふとあることに気がついた。
それは上の12×8の計算方法を利用すれば、すべて暗記する必要がないということだ。

たとえば九九をまだ覚えてなくて、7×8ができない子がいたとしよう。
しかし上でやったような考えを利用すれば、(10-3)×8と認識する手段がある。
この場合は1×8と3×8を知っていれば、10×8-3×8=80-24=56と出せる。

もちろんこれは1の段と3の段を覚えていることと2桁の引き算ができることが前提になる。
しかしこの考えを使えば九九をすべて覚えなくてもいい。
具体的には5の段までを習得すればいい。
6の段は10-4が、7の段は10-3が、8の段は10-2が、9の段は10-1が
何セットかあると認識すれば、上記の発想(いわゆる分配法則)で解けるからだ。

ということは81個覚える必要はない。
5の段までなので、9×5=45個覚えれば終わりである。


しかも1の段は事実上、1,2,3,4…とただ数字を数えているようなものなので、覚えるというか理解するものだ。
「かける1は形を変えないので、そのまま」と説明すれば終わる。

また、2の段も2人ずつペアを組む時に「にぃしぃろぉはぁ(2,4,6,8)…」と数えることがあるので、
これも習慣的なもので、習得しやすい。

5の段も下1桁が必ず0か5で、それが交互にやってくると教えれば比較的習得しやすい。
要するに5は10の半分なのだ。だから5円玉が2枚集まると繰り上がって10円玉が1セットできる(別にお金以外でもいいが)。
これを説明すれば切りがいい数字なので、子供でも認識しやすいと思う。

となると、後は3の段と4の段で少し苦労すれば終わりである。


さらに言えば、数のかけ算は交換法則が成り立つ。
たとえば8×2は2×8の結果と同じである。
ということは「はちにじゅうろく」をわざわざ暗唱しなくても、「にはちじゅうろく」の結果を覚えておけば十分である。
この考えでいくと、たとえば7の段までを習得している人は8×7までは交換するだけで解ける。
(8×8と8×9は新たに覚えなければならないが)
このように今まで習ったことを再利用すれば、覚える量がもっと減るわけだ。


・・・とまぁ九九にも様々なテクニックがある。
しかし、「ここで書いてあることを瞬時に理解できる人は、そもそも九九ぐらいは余裕でできるでしょう」
という反論も聞こえてきそう(苦笑い)。
現実問題、分配法則という(小学生にしては)高級な概念を理解している者が、九九を覚えられないとは思えないからである。