赤目無冠のぶろぐ

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帰ってきたニートの一日の作者。詳しくははじめにへ。

失業率が下がっても景気回復を実感できないのは当然

ニュースによると、今年は去年に比べ、完全失業率が低いらしい。
ついでに言えば、有効求人倍率も0.9を超えており、少しはマトモな雇用状況になっている。

しかし、実際には景気回復の実感がないと嘆く人が多い。
物価が上がっても給料が上がらないという意見もよく聞く。

なぜデータと感覚が乖離するのか。
データの採り方がおかしいのか。それとも人間の感覚がいい加減なのか。
これは個人的にはちょっとした問題だった。


しかし、最近になって簡単な問題だということに気づいた。
それは大多数の人にとって、失業率の低下は関係ないからである。
もともと完全失業率は4%前後しかないのだから、残りの96%の労働者にとっては関係ない。
だから失業率が改善しても、大多数は何も変わらない。つまり実感がないということになる。

例を挙げて説明する。
たとえば100人いても70人しか雇われず、30人が失業している村があったとする。
その村が雇用政策により、90人雇われるようになった(給料は回復しても一定とする)。
この場合、新たに雇われるようになったことで景気回復を実感する人は90-70=20(人)だけであり、
70人は給料一定なので、何も変わらない毎日が続く。もちろん残った失業者10人も変わらない。
そうなれば当然、世論調査では、状況が変わらない70人の雇われと10人の失業者は景気回復の実感がないと答え、
雇われるようになった20人だけが回復していると答えることになる。

以上の例により、データ上景気が回復していても大多数は実感がないというケースは十分考えられる。
要するに完全失業率はもともと一部の人に注目したものであり、大多数にとっては関係ない指標なのだ。

ということは安易に上の例の70人の意見だけを多数派だからといって鵜呑みにしてはいけない。
実際、残りの20人は失業者だったのに働けるようになったわけだから改善している。
一人一人の給料は変わらなくても雇用人数自体は増えているわけであり、全体のパイは回復している。
だから自分だけの給料がどうのこうのいっても、実は何の意味もない。
個人の意見に流されず、マクロな視点で捉えなければならない。