ギャンブルをやる場合、的中率を重視するべきなのか、それとも回収率を重視するべきなのか。
数学的な期待値計算(的中率×配当)のみで判断する場合、当然ながら、回収率を重視した方がよい。
いくら的中率が高くても、配当があまりにも低いと儲からないからだ。
逆に的中率が低くても、配当が異常に高ければ実は有力な賭け方だということになる。
しかし、いくら回収率がよくても、あまりにも的中率が低過ぎる賭け方は非現実的なようにもみえる。
この問題は実際にギャンブルをやってみるとよく分かる。なにしろ予想以上に変動が激しい。
波があるので理論上正しい賭け方でも、ずっと当たらないことが多々ある。麻雀やFXと同じである。
今回はその是非について簡単に考えてみたい。
たとえば以下のような2種類の賭け方があったとしよう。
1.4回に1回、3倍が当たる賭け方
2.50回に1回、75倍が当たる賭け方
この場合、数学的な期待値計算のみで判断すると、当然ながら、2の賭け方の方がよい。
1の期待値は(1/4)*3=3/4でマイナスだが(回収率75%)、2の期待値は(1/50)*75=3/2でプラスだからである(回収率150%)。
従ってこの2つしか賭け方が存在しない場合、ひたすら2の賭け方を続けるのが合理的にみえる。
しかし問題は的中率である。
確かに2は期待値が高く、それゆえ回収率が高いわけだが、50回に1回しか当たらない(わずか2%)。
運が悪いと何日もずっと勝てない可能性もあるわけである。
お金が少ないと、当たる前にお金が尽きてしまう可能性も高い。
そこで、2のみならずあえて損な1の賭け方もやってみる(均等賭けする)とどうなるか考えてみる。
回収率は(3/4+3/2)/(1+1)=9/8となる。要するに75%と150%の平均である112.5%である。
ということは、実は1の賭け方を組み合わせても一応、回収率はプラスである。
それでいて的中率は(1/4)+(1/50)で27%に上昇している。
回収率をプラスに維持しながら的中率をあげているので1と2を両方買うのもかなり有力なわけである。
整理すると、
(1)的中率2%で回収率150%の賭け方と、
(2)的中率27%で回収率112.5%の賭け方のどちらが有力かを考えていることになる。
数学至上主義(あくまで期待値のみで判断するという意)でいけば(1)が正解だが、
実践的には(2)なのではないかと最近の私は考えている。
というのも、2%が当たるのを待つのは現実的には相当大変だからである。
また、当たるまでにパンクしてしまう可能性も高い。精神的にも相当の忍耐が必要である。
それなら、回収率を多少下げてでも、的中率をあげておいた方がリスクをマネジメントできているのではなかろうか。
結局、回収率が高いだけでは不十分で、ある程度の的中率があって安定していることも大事なのだと思う。
的中率と回収率はバランスがとれている必要がある。
具体的にどれぐらいの的中率が要求されるかは研究課題ですな。そのへんは元手がいくらかでも変わるでしょうし。
因みに、2ちゃんねるの競馬板や競艇板での話をうかがう限り、
コンスタントな賭け方で勝っている人のほとんどは、だいたい20%前後の的中率を続けているようだ。
それ以上高い的中率だと配当が著しく下がってしまう模様。
確率の高い賭け方を一発勝負でやる者もいるが、これはもはや投資ではなく投機である。
やはり理性的で長期的な勝ち方は20%ぐらいしかないようだ。
追記
私と同じようなことをhttp://keibahou.jugem.jp/?eid=23が研究している。
その内容によると、やはり的中率が上がれば、その分、回収率は少し下がってもよい。
上記サイトは競馬ファン必見。私はどちらかというと競艇の方が得意だが、参考になる情報がたくさんあった。