ニキビ(尋常性ざ瘡、acne)の原因となる食べ物
ニキビ(尋常性ざ瘡、acne)の原因となる食べ物
◎総じて牛乳、乳製品、高血糖の食事との関連あり
~理論、メカニズム~
・キーワードは西洋食、牛乳、乳製品(特に乳清タンパク質)、グリセミック指数が高い食品(高血糖の食事)、
思春期の成長ホルモン、インスリン、IGF-1(インスリン様成長因子-1)、
FoxO1の抑制、mTORC1の活性化
(PMID: 23800069, PMID: 21335995, PMID: 23619434, PMID: 23975508,
PMID: 20361171, systematic literature review)
~実証、統計~
・米国での2016年8月の年齢14~19歳の225人を対象とした調査によると、
低脂肪乳や無脂肪乳との関連あり。
しかし乳製品の摂取量との関連はなし。
(PMID: 27241803)
・ハーバード大学公衆衛生学部が4,237人の男性を対象とした調査によると、
無脂肪乳の摂取との関連あり。
(PMID: 18194824)
・ハーバード大学公衆衛生学部が47,355人の女性を対象とした調査によると、
無脂肪乳、チーズの摂取との関連あり
(PMID: 15692464)
・IGF-1との関連あり
(PMID: 27476104)
・10~24歳の563人を対象とした調査によると、
肥満(BMI≧30)、牛乳、特に無脂肪乳、チーズ・ヨーグルト、お菓子・ケーキ、チョコレート、
魚の低摂取、果物・野菜の低摂取との関連あり
(PMID: 25438834)
・18~25歳の男性115人、女性133人、合計248人を対象とした調査によると、
グリセミック指数、砂糖、牛乳、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、魚の低摂取との関連あり
(PMID: 24412232)
・牛乳の摂取量との関連を示すメタアナリシスあり
(PMID: 30079512)
~考察~
・上記から牛乳の脂質・脂肪がニキビの原因ではないと推察できる。
もしそうなら、“低”脂肪乳や“無”脂肪乳と関連しないはずである。
つまり考えられる主な原因は脂質・脂肪以外の炭水化物(糖質、特に乳糖)か、乳清タンパク質
※バターも乳製品だが、ほとんど脂質・脂肪なので、牛乳やチーズほどは影響しないと考えられる。
「脂肪=太る悪いもの」という考えは偏見であり、諸悪の根源は糖質とタンパク質。
※チョコレートもその中のミルクの乳糖か乳清タンパク質がニキビの原因だと考えられるので、
カカオ含有率が高いダークチョコレートを選べば、ニキビのリスクを避けられる。
また、カカオにはニキビのリスクを下げる可能性があるポリフェノール(後述)がある。
実際、チョコレートがニキビの直接の原因であると断定できる医学的・科学的な根拠はない。
・魚や野菜・果物は“低”摂取と関連している。
つまり魚や野菜・果物の摂取はニキビのリスクを下げる可能性があるということ。
・グリセミック負荷の高い高糖質食、牛乳・乳製品(特に牛乳タンパク質)、肉類を摂ると、
ブドウ糖やアミノ酸(特にロイシン)が多いため、mTORC1の活性化とFOXOの抑制を引き起こす。
これががんやニキビの原因。
・男性ホルモンのアンドロゲンや成長ホルモン、インスリン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)も
がんやニキビの原因。
実際、インスリンとインスリン様成長因子-1(IGF-1)が低下している人は寿命が長い。
・成長ホルモン、インスリン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の多さと寿命の短さとの関連性は
線虫、ショウジョウバエやマウスの実験でも明らかになっている
・したがって、mTORC1を抑制し、FOXOを活性化すれば、長寿とがん予防が達成できる。
有力なのはカロリー制限、メトホルミン、ケトン食、糖質制限、ポリフェノール。
・炭水化物(特に糖質)とタンパク質が諸悪の根源なので、
カロリー制限がきつい場合、良質な脂質・脂肪を摂るしかない。
具体的には、ω3系多価不飽和脂肪酸(魚油、アマニ油)、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸(オリーブオイル)、
中鎖脂肪酸(ココナッツオイル、MCTオイル)を摂ることでケトン体を目指す。
・更年期(50歳)以降は糖質を控えるべき。
脂質・脂肪こそが正統なエネルギー源であり、糖質はその代わりに過ぎない。
・旧石器時代と同様の食生活を続けているパプア・ニューギニアのキタヴァ(Kitava)島の人達や
パラグアイの狩猟採集民族にはニキビがない
・IGF-1の働きが欠損した遺伝疾患(Laron syndrome)の患者にもニキビがない
・逆に成長ホルモンやインスリン様成長因子-1が活性化している
先端巨大症(Acromegaly、末端肥大症)の患者にはニキビが多い
・肥満もがんやニキビと同じメカニズム
・生殖と寿命はトレードオフ。一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない。
体の成長や生殖に必要なホルモンや成長因子は、更年期以降、がんを促進し、寿命を短くする。
(「老化の進化論」マイケル・R・ローズ著、みすず書房、2012年)
・日馬富士がニキビだらけなのは牛乳とプロテインを同時に大量摂取しているから?
・インスリンとアミノ酸→mTORC1活性化→オートファジー(Autophagy、自食作用)の抑制→がんの促進
という流れがあるので、プチ断食も有力?
参考:
https://ja.wikipedia.org/wiki/尋常性ざ瘡
319)にきび(acne)とがんとIGF-1
https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/1181548202cd2e7e4d266f29989fa70f
320)肥満とにきびとがんとインスリン/IGF-1シグナル伝達系
https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/89dbf91114c0a7f2f900f5994a75bd82
321)がんと寿命とmTORC1
https://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/7db00cf0589062b1ede882729926fb44