私モテは時代の要請に応えている
最近は「私モテ」というアニメを見ている。「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」という奴。
何というか衰退に向かいつつある日本を象徴している作品だと思う。
モテないダメ女の日常を描くなんて珍しい。
架空の作品は美化して描くことが多いのに、本作は悪いところばかり見せつけている。
今だから成立する作品だろう。
たとえばバブル期や高度経済成長期にこんなものをやっても受けなかったと思う。
昔は今以上に落ちこぼれやオタクへのバッシングが酷い時代だったし、「まだ成長できる」という希望があったから、わざわざ悪い面を押し出す必要もなかった。
だからそんな時代にこんなものをやっても理解されないだろう。
インターネットが普及して、アングラやマイノリティが認知されるようになったから、放送できるようになっただけだと思う。
これが巨人の星のようなスポ根ものをやっている時代にやって受けるかというと、間違いなく受けない。
それどころか面白くないと認識されるから放送さえできないだろう。
今期、新しいことに挑戦しているアニメはこれぐらいかなぁという気がする。
何かすごいネガティブな主張になってしまったけど、衰退するのもそれはそれで面白い。
何かダメになる時は、その分、新しい何かが来る時でもあるから。
もうこうなったら「私モテ」と共に日本がどう沈んでいくか見守ろう。