谷岡一郎による『ツキの法則「賭け方」と「勝敗」の科学』(PHP研究所、1997年8月)をまとめておく。
ギャンブルの難しさについて、統計学を用いながら、説明している本。
ある程度、知識や知恵のある社会学者が語っているので、なかなか面白い。
ただ、統計や期待値に関する教養がなく、理数系が弱い人間だと、少しイメージしにくいかもしれない。
ここでは、分かる人にだけ分かるような要約を以下に残しておく。
・ギャンブルは(ほぼ)確実に負ける
・大数の法則から逃れることはできない→やればやるほど分散が小さくなる→控除率分、負ける
・統計学上、確実に「負ける」賭け方(コツコツ勝つが最後は大負けしてしまう破滅型)
1.期待値の低いものに賭ける
2.やる回数を増やす(一度に何点も賭ける)
3.同じ金額を賭け続ける(高倍率は少額にする)
4.本命ばかり買う
5.実力を要するギャンブルに参加する
・統計学上、まだマシな賭け方(少しずつ負けるがたまに大勝ちするゆとり型)
1.期待値が高いものだけ買う
2.やる回数を減らす(買い目を1~2点に絞る)
3.金額を一定にしない(リズムをつけ、ときどき大勝負する)
4.大穴を狙う
5.実力を要するギャンブルに参加しない
→要するにいずれも分散を大きくすることで、大数の法則から逃れようとしている
・リバース・マーチンゲール・システム(ころがし)を支持(p.136)し、追い上げを勝てないと批判
ここは当ブログのギャンブルは追い上げかコロガシか - 赤目無冠のぶろぐと同じ意見。
要するに私と彼は、大数の法則から逃げようと考えていたわけだ。
理論上はいつか捕まって収束しまうのだが(笑)。もちろん、そのことは谷岡さんも分かっているのだろう。