1.統計学的な事情
多くの馬は20~30回も走れば引退してしまう。しかし、騎手は一日に何回も走る。
それゆえ、騎手に関するデータの方がサンプルがはるかに大きい。
騎手に注目した方が再現性の高い安定したデータを得られる。
2.競馬の展開を作っているのは騎手
馬は動物の中では賢い方だが、人間ほど賢いわけではない。
所詮は人間の言うことをよく聞くように調教されているだけだと考えられる。
その意味で、結局、競馬の展開を作っているのは馬ではなく、上に乗っている騎手だ。
だから馬に幻想やロマンを抱かないで、騎手(や厩舎)の方針を知る方が現実的である。
3.外国人騎手の台頭
近年、外国人騎手がかなり活躍している。
何も考えずに外国人騎手を買うだけで、かなり儲かる。
競馬場でも「黙ってデムーロ、ルメールを買っとけ」という話をよく聞く。
乱暴なようだが、下手な予想よりも回収率が高いので、あなどれない。
4.調教技術の向上に伴う馬の均質化
現代競馬は昔の競馬に比べ、調教技術が全体的に高い。
そのため、昔ほど調教による馬の差がない。
昔は休み明けの場合、「何回か叩いてから~」がセオリーだったが、今は最初からけっこう走る。
そうなると馬の能力の差がない分だけ、相対的に騎手の能力のウエイトが高くなる。
昔は馬7騎手3と言われたが、現代競馬は馬6騎手4ぐらいになっていると思う。
(それとトラックバイアスが意外と大きい)
5.騎手が強ければ馬も強い
強い騎手は強い馬を紹介してもらえる。
ゆえに、ほとんどの場合、騎手と馬の強さは連動する。
ということは、騎手の分析さえすれば、馬の分析も終わったも同然である。
追記:
6.回収率の問題~人と同じやり方では勝てない
多くの競馬ファンは馬に注目している。
そのため、いくら馬について詳しくなっても、大衆と同じ予想になってしまい、勝ちにくい。
しかし、騎手(や調教師)に注目している人は相対的に少ない。
そのため、馬の分析に比べ、簡単に人気薄の実力者を見つけることができる。