夢は強いて言えば「蛭子能収(えびすよしかず)」になることです。
「世の中メチャクチャになって自分だけ悠々自適」
これが理想的な状態です。
一見すると不謹慎な発言ですが、実はこれは映画を見ている時の心理状態と一緒です。
たとえば映画の中で主人公が壮絶な戦争に巻き込まれていたとしても、我々はそれをポテトチップスやポップコーンを食べながら、まったり見るだけです。
あるいは競馬で騎手がこけようが馬が死のうが、我々が求めているのは馬券が当たることだけで、後は様子を見るぐらいです。
これが傍観者としての正しい態度です。
結局のところ、何があっても我々は見ることしかできないし、無意識にそれを望んでさえいるわけです。
私は彼を強く支持します。よく言ってくれた、と思っています。
「~を頑張りたい」とか「~が夢・目標です」というようなクサいことを言わないで、きちんと人間の真の欲望を提示すべきなのです。
そうしないと主張したことにならないのです。
蛭子さんは私のように正直すぎるだけで、言っていることは全て正しいと思います。
生い立ちなどを考えれば、あのような性格になっても仕方ないし、
むしろ生い立ちの割には独特の悪運と説得力を持っていると思います。
現代に生きる死神――それが蛭子さんです。