なぜ円高と円安は間違いやすいのか。今回はそれについて。
結論から言うと、人間は「大きな数は高い。小さな数は低い(安い)。」と直感的に考えてしまうから、間違いやすいのだと思う。
例えば1ドル100円と1ドル200円があったら、数としては200円の方が高い。
だから「1ドル100円が1ドル200円になったら、数字が大きくなっているから円高だ」と誤解してしまう。
もちろんこれは間違いで、この場合は円安になっている。
同じ1ドルを得るのにより多くの円が必要になっているということは、
円の価値が安くなっているということだから。
ただ、確かに大きな数が安くて小さな数が高いというのは、指標としてはちょっと分かりにくい。
そういう意味で、間違える人の気持ちも少しは分かる。
個人的には、「1ドル~円」という言い方が諸悪の根源だと思う。
この考え方だとドルを基軸にしてしまうため、円を見る時に指標が反転してしまう。
だから本当は日本国内では「100円~ドル」と表示した方が分かり易い。
上の例なら100円1ドルが100円0.5ドルになった、と表示することになる。
これなら数字が小さくなっているので(1ドルが0.5ドルになっているので)、
同じ円で買えるドルの額が安くなった、すなわち円安だと直感的に分かる。
要するに、世界の基軸通貨がドルだから混乱するわけだ。
これがドル圏内なら何も混乱しない。
上の例なら「100が200に…あぁ、大きくなっているということは、
同じドルでよりたくさんの円を買えることを意味しているからドル高(円安)だ」とすぐに分かる。
ドルを基準にしているのに、見るべきものは円…この反転が混乱の元ではなかろうか。