冬川基による『とある科学の超電磁砲(レールガン)』16巻と17巻の備忘録(まとめ・要約)
※超能力者はレベル5(『全体論の超能力者』はルビなし)、大能力者はレベル4、
強能力者はレベル3、異能力者はレベル2、低能力者はレベル1、無能力者はレベル0、
『書庫』はバンク、風紀委員はジャッジメント、置き去りはチャイルドエラー、
超電磁砲はレールガンと読む
【16巻】2020年10月
表紙:初春、佐天、美琴、黒子 | 裏表紙のデザイン:初春の頭の花
(カバー下は表紙、裏表紙と同じ)
第116話:窮鼠(きゅうそ)→窮地のねずみ
・第二少年院。監禁中の初春と、春暖嬉美。
嬉美の初春への要求は学園都市の能力開発技術を世界に曝し、弱者に牙(力)を与えること。
(ネットワークの構築 | 180万人の学生、世界の20億人超の若人)
・嬉美の回想:強者に支配される退屈な世界→弱者に刃物を渡す
・嬉美いわく、看守の過半数は支配下(ゆえに話しかけても上の空→15巻115話)。
だがコレは一種の催眠で、自発的な思考力を欠くため、ハッカー・初春を洗脳するのには不向き。
また、コレは偶々転がり込んだ授かり物で、自身の能力はレベルが低いのか発現したことすらない。
・嬉美が初春に自身の血を飲ませる(保険)。
いわく、授かった力は隷従のみにあらず。超能力者・美琴をも退ける竜の力。
・嬉美が「(14巻105話で初春が賞金を喜捨した孤児院)を叩き潰す」と脅す。
初春が「口直しにシロップたっぷりのキンキンに冷えたアイスティーを」と言う。
※青星「AIMジャマーの力場はジョセフソンコンピュータが発するテラヘルツ波で減衰する」
「(その環境下なら)ドラゴンを発現させることは可能」
第117話:恒温→初春の能力
・青星いわく、本来の目的は嬉美達の情報を『書庫』から消し、皆でまた静かに暮らすこと。
だが嬉美にとってそれは面白くないこと(「抜け穴は莫大な金を生む」)。
・回想:釣鐘と雷斧(らいふ)が嬉美の竜の乱用を危惧し、自ら囮(おとり)に
(近江、ヒーロー、交渉)
・嬉美「あの女(佐天)は人質(初春)を決して見捨てない」
・初春がジョセフソンコンピュータを熱暴走させ、3人の看守を熱中症で倒れさせる。
(水分補給、携帯ボトル | あすなろ園→孤児院)
自身は能力で溶けなくした氷を首筋の血管に当てることで耐え切る。
(急にいなくなったりしないという約束→14巻97話)
・初春の紹介:低能力者、守護神(ゴールキーパー)、
能力は定温保存(サーマルハンド)、頭の花(好奇心は猫を殺す)
・看守服を着た佐天が警備ロボに命令し、遊ぶ(チップ | 東棟)
→他の看守に見つかる→新人の佐天アケミと名乗り、その場を取り繕う
(腕立て伏せもできない風紀委員→初春 | 女子棟)
・初春が3人の看守を介抱→監視カメラをハッキングし、佐天を発見
↓嬉美達の過去↓
・『置き去り』の寮。釣鐘茶寮(さりょう)と仄火(ほのか)の喧嘩~青星の仲裁。
(寮長、嬉美、雷斧)
・本の中のヒーローに憧れる雷斧が公園へ(タヌレン、茶釜クラッシャー)
第118話:暗闇→暗闇の五月計画→15巻114話
・ポン吉Tシャツを着た少年が『置き去り』を学園都市のお荷物とみなし、雷斧をいじめるが、
仄火が彼女を助ける(釣鐘と嬉美も加勢)。
人物は青星鈴蘭(すずらん)14歳、白絹仄火(しらきぬほのか)8歳、春暖嬉美7歳、
釣鐘茶寮6歳、鰐河(わにがわ)雷斧5歳。
・雷斧の夢は悪い人にさらわれる役、釣鐘の夢は「秘密っス」、
青星の夢は自立してまた皆で暮らすこと
・1年後、青星が孤児院を去る→先生が減る(寮の経営難)
→寮長が融資を受け、代わりに4人が能力向上施設へ
(仄火は異能力者、発火能力者(パイロキネシスト) | 嬉美は無能力者)
・雷斧は2年たらずで低能力者から強能力者へ。
仄火は異能力者から低能力者へ。喜ぶ雷斧と苛立つ仄火。
・不審に思った釣鐘が施設の書庫に潜入。(甲賀)
脳の一部を切ったり肥大させたりして、能力にどんな影響が出るかを調査する実験と判明。
↓
施設の長いわく、嬉美の数値に変化がなさすぎる。AIM拡散力場の放射量と一致しない。
能力の発現条件が揃っていないか、発現しているにもかかわらず我々が観測できていない。
第119話:転落
・雷斧の実験後の酔いが悪化。仄火は無能力者に。
・研究者達が嬉美の能力の輪郭を捉える→追加検査→嬉美「何食っても味しなくなってきた」
・秘匿学会で嬉美の実験の凍結が決定されるが、
施設の長(責任者)が独断で実験を続けようとする。
いわく、嬉美は貴重なサンプルで、成功すれば文字通り世界が拡がる。
科学者が危険を恐れる必要はない。本館には能力のことは伝えていない。
↓
研究者が銃で責任者を撃ち、嬉美を脳手術中の事故として処理しようと企む。(それを盗聴する釣鐘)
・研究者達が嬉美の傍へ→仄火と釣鐘が彼らを倒し、脱出を試みる(実験で酔った雷斧を背負う仄火)
・研究者が衛士ロボ(スプリガン)による追跡と、管理部隊による殺害を命令
(プログラム上、人を傷つけることはできないロボだが、捕獲は可能)
・釣鐘が別の場所へ。残りの3人がロボと管理部隊に挟み撃ちにされ、出口の反対側に誘導される。
(A棟北口)
・仄火が親に捨てられたうえに、能力まで奪われ、殺されそうな自身の境遇を嘆く
→背負っていた雷斧を嬉美に渡し、階段から2人を突き落とす
第120話:看破
・嬉美と雷斧がロボに捕まる。仄火が前進し、管理部隊に撃ち殺される(2人を庇うために囮に)。
雷斧が能力でロボを破壊。
釣鐘が研究者を刃物で脅すことで管理部隊をA棟3階の倉庫に誘導し、閉じ込める。
そして研究者達を殺し、施設ごと燃やす。
・嬉美いわく、仄火が死んだのに、何も感情が湧いてこない。
釣鐘いわく、我々は頭の中を切り取られて、感情が欠けている。
・嬉美いわく、何をやってもつまらないし、食べ物はまずい。
だが仄火の最期の表情(かお)、目だけは今も覚えている。
↑嬉美達の過去↑
・朦朧としていた嬉美がうずく右手に「慌てんなよ」と言う。
いわく、追い詰められ、牙を剥いた116話の表情(かお)は仄火の最期のそれに近い。
生にしがみつき生き残ろうとする目。
↓
監視カメラを確認し、初春が録画を差し込んだことに気づく。
(看守に一定時間おきに立ち位置を変えるよう命令していた)
・看守達が女子棟内の侵入者・初春(12~13歳、約150cm、頭に花)を察知。
佐天が看守服を初春に着せる作戦(友情パワー)を考えるが、
看守に「監獄内部は手出し無用」と言われてしまう。
・初春が唯一の脱出手段、屋上の非常用シューターへ。
(ブレーカーを落とされたため、ハッキングは不可能)
だが看守達がそこから降りてきたところを確保しようとする。
第121話:伝心
・まずいと思った佐天が屋上へ(地下3階、ローラー作戦)
・怪我人(←旧約15巻の垣根のせい)の初春が梯子を登る際に転落→気絶(パソコンが壊れる)
→「嫌だ」「誰にも譲りたくない」「私があの場所に帰りたい」と思い、屋上へ。
(停電 | 約束→117話→14巻97話 | 回想:誰とでもすぐに仲良くなれる佐天)
・屋上への扉が勢いよく開き、初春が落ちそうに→トラブルメーカーの親友・佐天が助ける
(佐天は警備ロボに登ってもらい、そこに例のグローブで張り付いてきた)
・嬉美が逆側の壁から裏門へ向かう佐天と初春を発見。
初春によるハッキングを防ぎ、能力を使うために、
看守に「裏門の電源を落とせ」と言う(IJOPTのジャマーも止まる)。
・嬉美 vs 佐天と初春。嬉美が交渉材料になる佐天の首をつかむが、
パソコンが壊れていることに気づく。
・佐天の狙いどおり、嬉美が電源を落とし、AIMジャマーを止めたため、
美琴が裏門を壊し、佐天と初春を助ける。美琴vs天使のドラゴンをまとう嬉美に。
(嬉美「魂消(たまげ)る」、『決闘の流儀(フラーズダルム)』)
第122話:再現
・美琴が能力でジャマーの再起動を防ぐ。
嬉美が美琴の怪我を見て、雷斧と戦ったことを見抜く(釣鐘なら無傷か死ぬ)。
・美琴vs嬉美。嬉美が黒い稲妻で美琴の電撃を逸らし、ドラゴンの額の十字が光を放つ。
美琴がそれを遮蔽物(裏門の扉)で防ぐ。
・美琴が地中から羽の内側へ→肉弾戦
→嬉美が左手で美琴を殴る(幼少期から喧嘩ばかりだったため経験豊富)
→美琴が嬉美の足を踏み、殴り返す(綺麗ではないダーティーなお嬢様)
・美琴が「その幻想ごとブッ潰してやるわ」と煽り、その隙に佐天・初春を逃がそうとするが、
嬉美が超電磁砲で壁を壊し、バードライム(鳥モチ→14巻100話)で裏門を塞ぐ
(オリジナルを主張できるほど大層な技ではない)
第123話:駆引(かけひき)
・美琴が億足虫(ギガピード)というロボ(14巻104話)を操るが、嬉美がそれをバラバラにする
・嬉美の目的は能力開発技術をバラ撒くこと。ヒーローが助けに来なくても、
弱者が牙(武器)を持ち、強者に抗える公正な世を創造すること。(116話)
・美琴が「付け焼き刃で本家に勝てると思う~なァ」と言い、
バラバラになったロボの鉄塊をドラゴンにぶつける
(嬉美「巡洋艦レベル」、美琴「怪獣映画で総攻撃が徒労に終わる自衛隊」)
・空中の無防備な美琴にドラゴンの額の十字が光を放つ。
美琴がロボの鉄塊に磁力で自身を引っ張らせることでそれを回避し、
光が当たった壁に自身の能力をぶつけることで、壁を破壊(光に当たった物体は塩に変わる)。
・そこから佐天と初春が逃走。その間に美琴が砂鉄で人型のおとり(デコイ)を大量に作るが…
第124話:芽吹(めぶき)
・美琴が嬉美のドラゴンに吹き飛ばされる(二度目→15話108話)
・デコイの中から本物を看破するのは大変なので、嬉美が大量の羽で佐天と初春を襲う。
佐天が初春を庇う。羽が佐天の背中に刺さる。
・嬉美いわく、羽は刺した者を催眠状態に落とす(洗脳する)が、
自身の血を飲ませないと体内の塩分が暴走する。
天使のドラゴンごと消滅させない限り、佐天は助からない。
(看守には青星がウォーターサーバーに混入させた血を飲ませていた)
・嬉美が佐天の自己犠牲を批判(116話で嬉美の血を飲まされた初春が犠牲になれば助かった)。
初春が「うるさい」と言う。
・雷斧の紹介:大能力者、能力は重力円環(グラビティスリング)、
自分を断罪してくれるヒーローを捜している
・嬉美が闇落ちしそうな初春に興味を持つ。
目覚めた美琴が誰かを守る人間を嫌う嬉美の心理を指摘。
美琴いわく、嬉美は(仄火に)守られたというトラウマを否定したい。
・青星が佐天を医務室に連れて行く。(洗脳された看守達、囚人棟)
佐天が闇落ちしそうになった初春を引き止める。
第125話:矜持
・初春が青星から彼らの過去のことを聞き、「同情はします(が嬉美)を許せません」と言うが、
佐天に諭されたため、風紀委員として、青星に協力を要請。
ドラゴンを酷使すると嬉美が危なくなることを雷斧から聞いた青星が了解する。
(車、15巻のヤンキー)
・釣鐘の紹介:甲賀のくノ一、強能力者、
能力は能力観察(AIMウォッチャー)、趣味は(近江の)人形作り
・青星いわく、嬉美は死んだ仄火と『書庫』の情報を入れ替えて生活していた。
(仄火は嬉美として死亡、嬉美は仄火として生活)
隠し続けられないため、3年前、自身が赴任した第一少年院で収監する形で保護した。
当初は『書庫』のデータを改竄してもらうために初春をさらった。
↓
青星が研究所の脱出の際に釣鐘が持ち出した、解読困難な暗号化されたデータを初春に渡す。
中身は嬉美が研究所に命を狙われる原因になった能力の情報。
・美琴がスクールカウンセラーのように嬉美の心理を指摘。
いわく、弱者に力を与えて変えてみたいのは、過去の自分と重なるから。
力があれば他人に守られることもなかったから。
・嬉美が「(仄火は)時間稼ぎのための囮になりやがった」と思う。
つまり彼女は何も感じなかったわけではなく、ムカついていた。
美琴も上条が犠牲になって自身が守られたことを受け容れられず、ムカついていた。
弱い自分を許せなかった。
・美琴の一撃(空気中の絶縁破壊とそれを利用した電流の誘導)が嬉美に直撃。
だが竜の浸蝕が思いのほか進んでいたため、嬉美が立ち上がる。
第126話:黒洞(こくとう?)→ブラックホール?
・ドラゴンが暴走
・初春が暗号を解読。内容は以下。
・3月9日、嬉美は無能力者
9月26日 AIM拡散力場の奇妙な挙動を確認(彼女の能力発現を観測できていない)
11月2日 太陽-地球系のラグランジュ点L5にてブラックホール発生(0.0000025秒後消滅)
同時に嬉美のAIM拡散力場も変化
12月5日 嬉美の能力とブラックホールの発生との間に因果関係あり
彼女は仮説上の存在『全体論の超能力者』(新約4巻)
1月4日 嬉美のAIM拡散力場の再現実験に成功
約120億光年離れた銀河オロチ方面にブラックホールが発生
1月31日 9人目(8人目は滝壺)の超能力者になるとみなし
嬉美の素養格付(パラメータリスト)(旧約22巻)更新を申請
2月7日 嬉美の能力を支援したワームホールの形成を検討
世界のエネルギー問題を解決できるが、ブラックホールのコントロールは至難
最悪、太陽系ごと地球が消滅する
・つまり嬉美の能力は宇宙のどこかにブラックホールを生み出すこと。
この能力が成長すると何億光年も離れたブラックホールとパスが繋がり、
地球の近くにブラックホールを生み出してしまう。
莫大な利益だが地球が破滅する可能性もあるため、研究者も実験継続派と存在抹消派に分かれていた。
・佐天の容態が急変。青星いわく、嬉美は「竜が宿った」と言っていた(15巻107話)。
初春が長距離AIMジャマーを使うが、ドラゴンは既に嬉美の支配下から離れているため、止まらない。
ドラゴンは嬉美の能力とは別物。
上条と繋がっていないのにエネルギーが尽きない相手なので、美琴が苦戦。
・初春いわく、ブラックホールはエネルギー源。ドラゴンはそれに寄生している。
ゆえにドラゴンは嬉美に引き寄せられた。
嬉美とドラゴンを引き剥がさない限りブラックホールと戦っているも同然。
・初春が「いないなら創り出せば」と言い、キーボードを打ちながら、
長距離AIMジャマーを看守棟にいる自身に向ける。初春の頭の花が反応。
第127話:番狂(ばんくるわせ)
・初春の回想:加害者も守る風紀委員・黒子
・初春の頭の花が反応。青星いわく、AIM拡散力場の物質化?
AIMジャマーを逆用して自身の能力を望む形に変えるべく
微弱な力場をミクロレベルで操作している?
・「オマエさえいなければ」などと言う嬉美。苦戦する美琴。
・覚醒初春が現実世界を(0か1の)デジタルに再定義。
風紀委員として、加害者の嬉美も助ける。
・ドラゴンが骨に
(ジョーカーに勝つ最弱のカード、スペードの3→15巻107話の大富豪)
・美琴が「守られたことを否定して」「結局 初春さんの助けようとする力に救われた」と言う。
嬉美が骨になったドラゴンを操るが、美琴がそれを能力で壊し、嬉美を殴り倒す。
※覚醒初春 デザイン/はいむらきよたか(桜、角)
abecの絵
【17巻】2022年2月
表紙:美琴、沙(シア)、水鏡(みかがみ)、支倉(はせくら) | 裏表紙:美琴
※はいむらによるパイセン(ルリ先輩)の1st案(ゲコ太ヘッド、オニキス)
第128話:懺悔
・嬉美の紹介:無能力者→『全体論の超能力者』、ブラックホール、
上条の右手から分離した『天使の羽を持つドラゴン』→『洗脳』や『敵を塩の柱に変える』、
『暗闇の五月計画』→第二少年院、仄火
・勝った美琴が嬉美に初春を狙うのをやめ、過去を受け止める強い者になるよう命令。
いわく、自暴自棄になった嬉美がやっていたのは『逃げ』(美琴自身への言葉でもある)。
自分は巡り合わせが良かっただけ。(上条に)護られるしかないヒロインの立場はヒーローの百倍辛い。
・少年院で嬉美が看守服を着た仄火の幻に慰められる。
いわく、「助けてくれてありがと」と言うのに何年もかかっている。
・近江が殺しに来るのを待つ釣鐘
回想:仄火が最期に言った言葉を読唇術で理解し、甲賀の任務に背く(実験で脳をイジられた影響か)
・犯罪心理に興味を持っている男がヒーローに拘る雷斧の話を聞く。
彼いわく、聞きかじった情報だけで悪と決めつけ、相手(雷斧)を責めた過去(118話)がある。
そうすることで自分が正義の側だと思いたかった。
だがそんな薄っぺらい信念はただ弱者を護ろうとする者(仄火)に折られた。
↓
雷斧が涙を流す自身に驚き、男が足を怪我していることに気づく。
(男は14巻106話の山城昭府(やましろしょうぶ))
第129話:信念
・ある怪しい企業(株式会社ZOOMANITY)の男が
脱獄トライアルと今回の騒動で資金繰りに苦労している橋国院長に融資の話を持ちかけ、
死亡扱いで戸籍を一度抹消された能力者・嬉美の提供を求める(飯塚→14巻106話、高いお茶)
・青星の回想:
研究施設を脱走した嬉美達に頼られ、仄火の死と嬉美の能力が狙われていることを知る。
↓
第一少年院の職員になり、嬉美の出自を偽って入所させ匿う。
いつかバレるので、第二少年院の創設と脱獄トライアルを利用した嬉美を守る計画に乗る。
(第一少年院、囚人の人身売買の噂→9巻58話の警策(こうざく)?)
↓
自立してまた嬉美達と暮らしたいという夢(118話)があり、
別れる際、毎週手紙を書く約束をしたのに、実際に書いたのは2通だけだった。
環境が一変し、青春を謳歌するようになってしまった。
↓
計画に加担したのは罪悪感だけではない。私達は自分を罰してくれる相手を求めていた。
(雷斧はヒーローに、釣鐘はかつての師・近江に、嬉美は外の世界で生まれる能力者に)
・橋国院長が融資の契約書を破り、怪しい男達をロボで追い出す。
いわく、職権を濫用してロボを作ったり不祥事を隠蔽したりはしても、
預かった学生達を見限ることだけはしない主義。
(飯塚「信念だけは立派」、院長の顔を模した新型ロボ、CEO)
・222号室の囚人・釣鐘(15歳)が脱獄し(茶を噴く橋国院長)、伊賀忍者に弟子入り。
警備員に追われる釣鐘。巻き添えを食う郭(くるわ)。(鎖鎌、GPS)
※伊賀三領袖(りょうしゅう)・半蔵、伊賀七天女・郭、甲賀三比丘尼(びくに)・近江手裏、
KKDS5(甲賀カラオケ大好き5)・スギタニ(杉谷→旧約19巻)
(伊賀八王剣、甲賀六幻獣、甲賀九本槍)
第130話:快気
・病院。初春が無事に目覚める。佐天も目が回り、吐いただけ。黒子・美琴も無事。
(黒子の右腕→神経毒除去、神経・血管の接合←カエル顔の医者のおかげ)
謝る初春。感謝する佐天・美琴。頬を引っ張り合うツンデレ黒子と彼女を冷やかす佐天。
・初春がAIM拡散力場を分解して再構成したことを話し、佐天が傷ついた時、
嬉美(と自分)を許せなかったことを気にするが、美琴に励まされる
・佐天と黒子が名前で呼び合う。黒子いわく、初春は何かムカつくため、これまで通り。
それを見て過去(131話の黒髪の生徒とルリ先輩?)を振り返る美琴(伏線)。
・婚后、泡浮(あわつき)、湾内が見舞いに来る。
黒子が婚后に「(美琴)に周囲を頼るよう言ってやって」と言う。
湾内と泡浮が快気祝いを計画(常盤台の近くの新しいオープンカフェ)。
学舎(まなびや)の園に入れるため、佐天と初春が喜ぶ。
---
↓美琴の過去、1年生、5月↓
第131話:一年
・美琴が自販機に1万円札をのまれ、
常盤台中学の生徒(ギャル、色黒、ゲコ太、ツインテ、ルーズソックス)が
伝統に則って自販機を蹴り、甘蕉(バナナ)茶の缶を出す。
↓
彼女いわく、超能力者の美琴と食蜂は有名。やっかむ奴はどこにでもいる。
(当時の美琴は大能力者と大差ないギリギリライン越えの最弱の超能力者)
・プール(水泳、水着)~帰様の湯殿(脱衣所、シャワー)。美琴に解説する黒髪の生徒。
↓
上記のギャルは神苑小路瑠璃懸巣(しんえんこうじるりかけす)、ルリ先輩。
(型に嵌まらない不羈(ふき)奔放な性格、教師も御せない自由人)
↓
常盤台三大派閥(←過半数)と『永代姫君(マジェスティ)』。
永代姫君とは最大派閥を1年以上かつ卒業まで維持した派閥の長に与えられる称号。
(学園都市統括理事の椅子などの出世コースを約束される)
↓
沙淡扇(シア=タンシャン)率いる沙派閥(最大派閥)。
2年生、黒髪、メガネ、パンダ、超病弱な『保健室の女帝』。
慈善活動(ボランティア→砂漠の緑化)、『有力者(ギフテッド)の責務』という理念。
↓
水鏡凪紗(みかがみなぎさ)率いる水鏡派閥(欲望に正直なグループ)。
3年生、金髪、そばかす。油分(身体の脂肪)を操作する能力、『油性操作(オイルディレクション)』。
(スタイルや身体測定の数値をまだ気にしていない美琴→死亡フラグ)
↓
支倉冷理(はせくられいり)率いる支倉派閥。茶髪、黒タイツ。
最初の古株だが現在3位、向上心溢れる肉食系派閥。黒髪の生徒はここに所属。
↓
超能力者は「メンドー」という話。(人形のような綺麗な子、食蜂)
↓
黒髪の生徒が部活へ。美琴が彼女の忘れ物(三日月のアクセ)を発見。
・美琴が黒髪の生徒に電話→繋がらない→3人の女にぶつかりそうに
→「(所作が)子供っぽい」と嘲笑される→能力で天井に張り付き、おどかす
(うち1人は7巻41話で婚后をからかった切斑芽美(きりふめぐみ)?→8巻45話)
→ショーツが丸見えなのを指摘→「手合わせしてみる?」→「メンドーかも」
※常盤台生シェアは沙派閥23%、水鏡派閥19%、支倉派閥17%、
第4~10派閥16%、無所属25%(ルリ先輩や美琴)
~カバー下の人物の紹介(先に示したほうが読みやすいと判断した)~
水鏡派閥
花山院(かざんいん)つかさ…3年生。圧縮空気で対象を切断・研磨・締め付ける大能力者。
彫刻家、家格至上主義者。
閏井葵花…3年生。天然ゴムを生成する大能力者。ゴムロープによる捕縛や高速移動。
ゴム風船のクッションに絶縁障壁形成など、美琴も敬遠する防御力を有す。
派閥の立ち上げを検討していたが、美容と健康を取って水鏡派閥へ。
朝倉・オリビア・萌亜…3年生。体表の角質を変化させる強能力者。角や爪はトラックより強い。
自身の容姿に不満はないが、友達付き合いで派閥に入る。
角坂凛奈…2年生。エビ・カニなどの甲殻類の殻や昆虫の外骨格のような
キチン質の鎧を生成する強能力者。
戦艦並の装甲も生成できるが、実際にやると分厚くなりすぎて、動けなくなる。
助澤世菜…2年生。カルシウムのサプリメントを摂ることで自身の骨や歯を強化し、
地中のカルシウムを集めて武具を作り出す強能力者。
幼少期に別荘の湖で大量発生したのを見て以来、カエルが苦手(マスコットも)。
沙派閥
林麗華…2年生。植物の成長速度、特に蔓(ツル)植物を操る大能力者。
花粉嵐を巻き起こせるが、嵐の中心に自分がいる必要があるため、マスクが必須。
欧陽茜…1年生。鳥類を操る大能力者。
鳥と視界を共有することもできるが、乗り物酔いに襲われるため、好まない。
支倉派閥
炎乗(えんじょう)香炭…2年生。紐状の織物を操る強能力者。地方旧家の娘。
安賭蜴吹禾…3年生。物体の支点と作用点を変化させる強能力者。
支倉に心酔しているが独断専行が多い問題児。在校生一の長身。
第132話:超電磁砲
・美琴が沙、水鏡、助澤?、支倉派閥に遭遇
(黒髪の生徒→潔斎雪紫 | パンダ、人形、腹話術)
・支倉が美琴を裏庭に呼び出す→廃棄された馬術ハードルを能力で貫く勝負
(タイマン | ベアリング、パイプ?、距離は30m超)
↓
美琴が初めて超電磁砲を撃つが、弾道が逸れ、支倉が吹き飛ばされる。
(2本のレールのイメージ、磁場、フレミングの左手の法則、ローレンツ力)
怒られるが、裏庭の像が壊れたため、2人で逃げる。
・支倉が手下2人に「試合に勝って勝負に負けた」、
「(美術部の者に)裏庭の像 直すよう言っといて」と言う。
手下2人いわく、洗脳されるため、食蜂との接触も危険。
だが美琴は雪紫にマークされている(ルリ先輩との接触)。
・美琴がルームメイトである雪紫に忘れ物を渡す
第132.5話:遭逢(そうほう)
・雪紫が言い争う美琴と食蜂を見る
(タッパ、バスト→当時の食蜂は背が低い | 不快力、図体力)
・美琴の先週の回想:食蜂が「本当におなじ」「どうしてDN(A?)」(ドリーのこと?)と言い、
美琴に「あなたの顔見たくないの」「私の視界に入ってこないで」と言う
(ゲコ太ポーチのサイト | 当時の超能力者の序列は食蜂が上 | 先生)
・雪紫いわく、美琴も好奇・羨望・嫉妬の対象で浮いているが、食蜂の孤立ぶりはその比ではない。
読心・洗脳・記憶操作が怖いため、敬遠されている。美琴・食蜂の結託もなさそう。
・食蜂の件で怒り、「私の顔って変?」と言う美琴
→「造形はいい」と言う潔斎雪紫(けっさいきよし)→「好き」と言うルリ先輩
・自販機を蹴り、缶ジュースを出す仲の良い美琴とルリ先輩。
(チェイサー、故障機械再生法、短パンとホットパンツ、入射角45度)
「お嬢様はショーツが見える所作はしない」「自販機を蹴らない」「おごりとは」と言う雪紫。
第132.75話:因縁
・風紀委員の研修期間を過ぎても小学生の黒子を見習いとみなす固法(このり)。
空き缶を能力で清掃ロボットの傍に移動させる黒子。
・黒子が迷子の沙にぶつかり、彼女を学舎の園に案内する。
いわく、常盤台中学の制服のデザインに技術提供しているのは実家の広告部。
・沙の毒舌。常盤台中学はライバルを蹴落とす機会を虎視眈々とうかがい、
上下関係をわからせ、社会に出た後もマウントを取れるよう計らう場所。
・沙が時間差で噴き出す噴水の中へ→びしょ濡れに(黒子も)
→2人でseventh mist(セブンスミスト→1巻5話)へ
・試着室で黒子が巨乳でノーブラの沙に驚く→お揃いのワンピースに着替える
→沙がブラシで黒子の髪をおろす→ゲートで別れる
(沙「ドル表記」「桁二つ」「安い」→金持ち)
・カメラ越しの父が黒子の強能力昇格を祝う(常盤台の入試資格を得る)。
彼いわく、名家揃いの常盤台にもウチが通用することを証明したい。
コンビニスイーツが一流のパティシエを蹴散らすかの如く。
(コンビニ→新約16巻2章のホワイトスプリングホールディングス)
↓
黒子が「(常盤台生は)変わり者ばかり」と言う。
※松竜による沙のデザイン、女帝ちゃん、
牡丹の髪留め&リボン(盛唐以降「花の王」として中国で愛された花)、涙目リム眼鏡、
パンダポーチ、腹話術
第133話:抗争
・8時。正門前。入学祝いに父に買ってもらった腕時計を失くした支倉派閥の炎乗(えんじょう)が
水鏡派閥の花山院(かざんいん)に自身や実家を侮辱されたため、
激怒し、リボンを操る能力を使いそうに。(旧家、田舎 | 2階の食蜂)
・放課後。16時20分。花山院が何者かにリボンを操る能力で攻撃される(公衆トイレ?)。
・翌日。「炎乗さんの能力」と言う水鏡派閥と「濡れ衣」「狂言」と言う支倉派閥が対立。
・保健室のベッド。右目を髪で隠した沙の手下いわく、
リボン操作能力を所持している常盤台生は炎乗のみ。だが炎乗には友人といたというアリバイがある。
沙が「支倉先輩は能力実演のデモンストレーションでパリ」
「どちらも嘘をついていない可能性を考慮すべき」と言う。
・水鏡派閥の1人(顔を髪で隠した子)が何者かに襲われる(泡?→閏井のゴム風船?)
・路地裏で水鏡派閥の閏井と朝倉が支倉派閥の新入り・雪紫を襲う
→雪紫が熱い蒸気を出す能力を使い、逃げる→朝倉が能力で道路を削り、転ばせる(爪や角)
→美琴が助けに来る
第134話:延焼
・「水鏡派閥全体を敵に回す」と言われても退かない美琴→ルリ先輩が仲裁
・ルリ先輩いわく、無派閥の者は派閥間の争いに介入してはいけないという暗黙の了解がある。
限度はあるが、教師でさえ深入りできない。雪紫いわく、下手したら全派閥を敵に回していた。
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だが美琴が「そんなの友達見捨てる理由になんない」と言う(同意するルリ先輩)。
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「羨ましい?」と言うルリ先輩。「危うい」と言う雪紫。(自販機、梅粥)
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ルリ先輩が「雪紫ちゃんの助けが必要な時が来るかもよ」と言う。
いわく、超能力者は無敵ではない。助けられるかどうかは能力ではなく意志の問題。
・保健室(infirmary)で右目を髪で隠した沙の手下が
「沙派閥に仲裁の要請が来ています」と言い、花山院・炎乗関連の4例について、
双方の言い分が食い違っているため、「怪しい人物は…食蜂」と言う。
沙が「想定より火の回りが早い」と言い、食蜂には動機がないと考える。
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沙の手下が食蜂に接触する必要があると判断。
(食蜂が所属していた機関の解体→ドリーの話 | 欧陽茜)
・調理室(Kitchen)。水鏡が謝罪しようと思うが助澤と角坂に止められる。
水鏡の能力で胸・脚・頬を改善したい2人。
(『天使の微睡(まどろみ)』プリン→水鏡は能力でカロリー無視できるため2つ)
・自動販売機コーナー(Vending ×Mashines ○Machines)。
支倉派閥の安賭蜴が「対立は避けるように」という支倉の指示を無視し、
水鏡派閥を追い落とそうと企む。
※はいむらによるパイセン(ルリ先輩)のデザイン
第135話:裏目
・独断で動く安賭蜴(ため息をつく支倉派閥の者達)
・2年のリリー(右目を髪で隠した沙の手下)が脚が痛む食蜂に任意同行を願う。
拒まれたため、林麗華が蔓(ツル)を操り、食蜂の鞄を狙う。
だが食蜂いわく、リモコン無しでもコントロールが不安定になるだけで、能力を使える。
(稀少力な病気、諜報力の欠如)
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蔓が一瞬で枯れる(食蜂の水分操作?)。驚くリリー達と食蜂。
食蜂が蔓を引っ張るが、勢い余って鞄を吹っ飛ばしてしまう。
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リリーが「プランB」と言い、欧陽茜が鷹(タカ)を操る。
食蜂が鞄を拾おうとするが、目測を誤り、蹴り飛ばしてしまう(射程力)。
さらに何もない所で転ぶ(鷹が鞄を奪う)。
リリーが上記のような馬鹿はいないと思い、「危害は加えるな」と怒る。
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怒った食蜂が帆風潤子(ほかぜじゅんこ)を呼ぶ。潤子が沙派閥の3人を倒し、食蜂を助ける。
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「遅い」「召集力の前に助けなさい」と言う食蜂。いわく、能力が上手く発動しなかった。
「切り札は隠しておきたい(と)言ったのは(食蜂)」と言う潤子。
いわく、食蜂の脚の痛みは骨端軟骨障害(成長痛)。
・水鏡の回想:人付き合いが苦手な自身に身体の脂肪を動かす能力目当ての人が殺到。
このままでは他人に自分の人生を使い潰されてしまうと思い、
中学に入学する際、派閥を立ち上げ、自身に尽くした者のみに能力を使うことに。
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誤算1。加入希望者の殺到。(常盤台生の美容意識は高い)
誤算2。水鏡を永代姫君にすることが最大の貢献という空気が醸成された。
(そのせいで支倉派閥を抜き、一時、最大派閥に→現在の最大派閥は沙派閥)
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派閥争いには興味がないのに、静かに暮らせない水鏡(傍に角坂と助澤)。
第136話:啖呵
・安賭蜴が鎖付きの鉄球で助澤を狙うが、水鏡が彼女を庇い、3人で逃げる。
(『天使の微睡』プリン→134話 | 水鏡「熱ッ」)
・水鏡が怒り、角坂と助澤から離れる。
いわく、減量やスタイルの改善は命を賭けるようなことではない。
永代姫君も能力もいらない。自身には護られる価値などない。
・馴染力の高いリモコン入りの鞄を失ったため、不機嫌な食蜂。(紅茶)
いわく、リリーの記憶を覗いて彼女の勇み足と確認したが、
鷹が鞄をどこかに落とした(鷹の記憶は読めない)。
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潤子が「(食蜂の)能力を派閥のいざこざの調査に提供すれば」と言うが、
食蜂が「信用されなければ意味がない」「敵対勢力が増えそう」と言う。
・角坂と助澤が水鏡を泣かせたことを反省し、罪を償うために安賭蜴と戦う。
水鏡も八つ当たりしたことを反省し、追手が来ないのを不審に思う。
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角坂が装甲で自身を守るが、安賭蜴に拘束される。
助澤がカルシウムサプリを飲むことで歯を強化し、地中のものを武器にするが、
安賭蜴の武器の軌道が変則的なので苦戦。あっさり捕まる。
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安賭蜴が水鏡を呼ぶよう命令。助澤が誰も応援しに来ないことを指摘し、挑発。
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水鏡が自身を肉塊にする(身体の脂肪を増やす)ことで安賭蜴の攻撃を防ぐ。
水鏡vs安賭蜴吹禾に。